小悪魔☆ハニーvol.16《T.MASUDA》 (ページ3)

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腕にしがみつくように
ぎゅぅうっとしたAは…

増田「…寂しかった？」

A「…。」

増田「…仲のいい子と離れるの…やだよな。」

A「…。」

増田「…A？」

A「…。」

…何を聞いても返事をしない。
お昼の時の元気なAとは違う

甘えたような
困ったような。

増田「…何があった？」

A「……して。」

…？
小さすぎて聞こえず。
もう一度聞き直すと。

A「…消毒…して。」

増田「……消毒…？」

…ｹｶﾞしたの？

どこを？

…Aの顔は今にも泣きそう。
口をｱﾋﾙみたいにして泣くのを堪えてる。

増田「……A。」

A「早くぅー…」

増田「…。」

A「早くぅー……。」

…。

増田「…わかった。」

A「…ぅー…」

増田「でも。ちゃんと理由は話せ。いい？」

A「…話す…。」

…親指でAの唇を拭い取ると。
舌でﾍﾟﾛﾘとAの唇を舐め…
そのまま唇を重ねた。

…消毒してってことは。
誰かとｷｽをしたってことか…。

……ちょっとｲﾗつく。

ここは素直に話したAを認めてやるべきか。

それともｷｽをした事を叱るべきか。

…とにかく理由を聞いてからだな。

…ゆっくり唇を離すと。
「もっと…」と。Aが甘える。

増田「理由をきいてから。」

A「…。」

増田「…相手は？」

A「……。」

増田「…言えないの？」

A「…橋本くん…。」

…またあいつか。

増田「…ﾑﾘﾔﾘ。だったのか？」

その問いに。
「違う」と答え…

A「…私がしたの…。」

…は？

A「…私が橋本くんにしてあげたの…。」

…。

増田「…それダメだろ」

A「わかってる…。」

増田「…お前…」

A「最後だったの。」

増田「最後って…」

A「…橋本くん…。私のこと友達って…。」

…。

増田「友達って言われたらｷｽすんの？」

A「違う‼」

増田「ｵﾚには意味がわかんねー。」

A「…貴久あのね…。」

増田「…ちょっと黙って。」

…。