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「いいえ、間違ってはいないですよ。でも、意味のある抵抗はします。あなたの質問に抵抗すれば、答えを聞きたいあなたと取引できる」

 雑渡に答えるように、にっこりと微笑んで見せる。

 「すでに取引が始まっているというのに? 君への質問は、君の命が懸かっているんだよ」

 「まさか。私はあなたに殺されるとは思っていませんよ。殺すつもりなら危険を冒して城に連れては来ないし、こんな会話しないでしょう?」

 雑渡が満足げに笑みを深めた。

 「なかなか聡明な娘だ。白夜なら、流石といったところかな。


 いいだろう。君の望みはなんだ?」

 その言葉を待っていた。力を持つ城の忍者隊組頭に取引を持ち掛ける等、そう出会える機会ではない。この好機を逃す手はなかった。

 「欲しい薬があるんです。とても希少で、なかなか手に入らない代物なんですが、それがこの辺りにあると聞きました。それを探すのを手伝っていただきたい」

 「薬……?」

 無意識に身を乗り出していた尊奈門が小さく呟く。それを一瞥してから、雑渡が再度Aに向き直る。

 「我々も暇じゃない。今のところ平等な取引には思えないね。君の探し物に手を貸す程の価値ある情報を君は持っているのか?」

 「情報の価値なんて、そちらで決めてくださるでしょう? いいですよ、何でも答えましょう。いくらでも聞いてください。ただし、取引の成立が先です。こちらの条件を1つ追加させてください。それを飲んでいただければ、こちらは無限の情報をお渡しします。それを値踏みして、協力に値すると思われたら、手を貸してください。どうです? 悪い話ではないはず」

 豊前から北上した忍の持つ情報。さらに多くの城を落としてきたとなれば、その情報は十分な価値が望める。

 「……言ってみろ」

 Aは大きく微笑んだ。

 「ここで雇っていただけません?」




 「「「「「…………は?」」」」」




 得体のしれない、元くノ一。藤の香りを纏い、柔らかく笑むその姿からは、血生臭い過去など想像できなかった。そして、これから始まる彼女のいる日々がどこへ向かうかも、神のみぞ、いや、神すらも存ぜぬ話。




〜〜〜〜〜

大変お待たせしました。ここからが本編()
次のページにお知らせ、置いておくのでよろしければ。

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スイちゃんのご友人のご友人 - 更新待機 面白かったです (2023年2月3日 1時) (レス) @page7 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
水無月弥生(プロフ) - 更新楽しみにしています!これからも頑張ってください。 (2020年4月4日 19時) (レス) id: 9fe8b56f99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十夜 | 作成日時:2020年3月24日 23時

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