捌の話 ページ8
永見さんが術が出来なくなると、ショッピの叫び声も止み、ショッピはその場から姿を消した。
「っ、Aさん、何をするんです！！もう少しで退散を…」
『ショッピは何も悪くないじゃないですか！…確かにお化けとか妖怪とか、怖いですけど、悪さしなかったら人間と変わりないじゃないですか、』
「確かに、それはそうですが…妖は何をするか分かりません」
『そんなの、人間も同じです』
私は永見さんから離れて、服を叩く。
ショッピの言動からするに、この永見さんは陰陽師。
安倍晴明とかしか知らなかったけど、永見さん…永見さんの祖先もそうだったんだ。
「…まあ、居なくなった者にグダグダ言っていてもキリはありませんからね。この話はやめましょう」
『……すいません、急に飛びかかったりなんかして。咄嗟だったんです』
「もう気にしませんよ。それに、もうお天道様も昇って朝になりました。朝食にしましょう」
そう言えば、この御堂の中も日が差して明るくなってきた。もう蝋燭の炎も消えかかっている。
永見さんは私を御堂の外に連れ出し、神社の横にある木造建築の中に入って行った。
「ここは私の家のようなものです。流石に神様の前で食事を取るわけにはいきませんからね」
『分かりました』
「さて、今に持ってくるのでちょっと待っていて下さいね」
そういうと永見さんは奥に行き、お膳と呼ばれる時代劇などに出てくるテーブル替わりのものと、白米が入った茶碗、味噌汁、漬物を持ってきてくれた。
『お、美味しそうです…朝ちゃんと食べるのとか、いつぶりだろう…』
「未来にこんなものは無いんですか？」
『いえ、あるんですけど…私、働いてばっかりで、ろくに朝ご飯とか食べてなくて』
「それは駄目ですね。朝昼は特に食べるべきですから」
そういうと永見さんは手を合わせて頂きますと言った。
私も同じ様に手を合わせて、ご飯を食べ始める。
『…うん！とっても美味しいです！ご飯ホカホカで、この漬物も美味しい……！』
「それは良かった。その漬物は私が漬けてるんですよ」
『凄いですね…うん、おいひい』
「……あ、Aさん、そこに米粒が、」
『え？』
「動かないで下さいね」
そういうと永見さんはぐいと体をこちらに近づけ、私の唇を触り、米粒を取った。
目の前の人は片想いしている相手と瓜二つの人だ、胸が大きく鳴った。
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にゃーちゃん - めちゃくちゃ好きです…!!マジで尊過ぎる…しかも推しの一人(htrn)出てきたってマジ？神回の予感しかしない…!!!更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (2023年5月3日 0時) (
レス) @page27 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
柚衣 - 続きがとても待ち遠しいです！妖パロめっちゃ好きなので、この作品を見つけることができて、よかったです。更新頑張ってください(^∇^) (2022年4月19日 18時) (レス) @page25 id: a954c39e8d (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - 珍しい妖パロですねえこういうの雰囲気結構好きですねええ続きが楽しみだわ。神作品だねえ (2021年9月12日 14時) (レス) id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
トシinミルク - 続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年4月18日 9時) (レス) id: 4eab459e35 (このIDを非表示/違反報告)
因幡 - 続き待ってます (2020年4月16日 21時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一条
| 作成日時：2020年4月16日 11時
