漆の話 ページ7
「それで陰陽師の元に入り込んでしまうとは運の尽きですね。この様子だと、Aさんに取り憑いて悪さをするつもりだったんでしょう」
「勘違いも甚だしいですね。俺はAさんに取り憑くつもりなんて無いですよ」
『え、えっと……』
頭の中で猫ちゃんの顔、ショッピの顔、永見さんの顔がぐるぐると回る。
取り憑く？ショッピは猫又…妖怪？
私の時代で怪我をした？
『ご、ごめんなさい、全く頭が追いつかないです…』
「まあAさんの時代は人間が力を持ち過ぎて、俺ら妖怪は消え失せたようなもんですからね。俺らの存在が信じられなくても当然です」
「この時代では家康様が力を持っていますが、その裏一体には妖怪が憑いているんですよ。玄武や朱雀と言った神獣、酒呑童子や鬼といった妖怪がそこにいます。妖は人間とは比べ物にならない能力を持ち、人間を捩じ伏せています。ここには妖が入らないよう結界を張ったんですが…解かれた様ですね」
「そんなん、アンタが使うような結界なら俺の先輩が解いてますよ。この神社にも妖は居るんですから。
……Aさんを助けようと思いましたが、ここが陰陽師の家なら話は別ですね。Aさんは俺達
『え？』
そう言うとショッピは煙幕に包まれ、あっという間に大きな猫……いや、タヌキ？に化けた。
「Aさん、私から離れないで下さい」
『え？』
「妖に連行された人間に、無事に帰ってきた人は居ません。貴女は私が責任を取って護りましょう」
「それは聞き捨てならないですね。人間は皆妖の世界でそれはそれは楽しんでいますよ……現世に帰りたく無くなるくらいに」
化け狸の口から聞こえるのは、先程のショッピの声。
猫又ってこんなことも出来るの？
「……臨兵闘者皆陣列在前！！」
「っ、ぐぁぁぁぁぁぁっ！！！！」
『ショッピ！？』
永見さんがかけた術のようなものに、ショッピの体は包まれる。
姿こそは化け狸だけど、中身はさっきまでの猫ちゃんで、ショッピだ。
「っ……！！」
『え、永見さん、もうやめてあげてください、ショッピ苦しそうじゃないですか、』
「妖は祓わないといけないものです、この位の仕打ちは当然……」
「っあ゛ぁぁぁぁぁぁっ！！」
『ショッピ！』
ショッピの苦しんでいる姿をこれ以上見たくない。
私は手と口を動かし続ける永見さんに飛び付いて、その動きを辞めさせた。
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にゃーちゃん - めちゃくちゃ好きです…!!マジで尊過ぎる…しかも推しの一人(htrn)出てきたってマジ？神回の予感しかしない…!!!更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (2023年5月3日 0時) (
レス) @page27 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
柚衣 - 続きがとても待ち遠しいです！妖パロめっちゃ好きなので、この作品を見つけることができて、よかったです。更新頑張ってください(^∇^) (2022年4月19日 18時) (レス) @page25 id: a954c39e8d (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - 珍しい妖パロですねえこういうの雰囲気結構好きですねええ続きが楽しみだわ。神作品だねえ (2021年9月12日 14時) (レス) id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
トシinミルク - 続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年4月18日 9時) (レス) id: 4eab459e35 (このIDを非表示/違反報告)
因幡 - 続き待ってます (2020年4月16日 21時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一条
| 作成日時：2020年4月16日 11時
