参拾壱の話 ページ31
「楽しく喋ってるとこ悪いな、なんかグルさんが話したいみたいやわ」
「トン氏、俺は話したいんじゃなくて話さなあかんねん。語弊ある言い方やめい」
「そんな対して変わらんやろ」
「変わる！かっこよさがちゃうやろ」
「はえ〜、めんど」
手を叩いた男は七三にかっちり分けられた前髪から凛々しい眉を覗かせ、赤い双眼を黒縁の眼鏡が彩る。
そして何よりも人目を引くのは首に巻き付けた赤い布と、背中を覆う真っ赤な翼。
彼は朱雀、トントン。妖と言うよりも神獣に近いものだ。
そして彼が眼を細めてめんどいやつだな、と一瞥するのがこの組織の親玉＿＿＿玄武。
何度も名前を聞くことがあったであろう、グルッペンという男。玄武というのはそもそも亀と蛇がフュージョンしたみたいな姿と言い伝えられているのだが、彼を見てそれを信じる輩は居ないだろう。
亀とか蛇とかのモチーフは彼の首飾りとして残っているが、彼は金の髪の隙間より赤い瞳をこちらに向けて、唇は月の形を描く。
本来玄武は北方、朱雀は南方を統治すると言われているが…どうやら彼らは白虎や青龍等を放って国の中心に身を置いているらしい。
「さて諸君、今宵も此処江戸城にお集まり頂きありがとう。ロボロも大先生もご愁傷さまだったな」
「げ、何俺の醜態もバレてんの？うわー、バレてんのロボロだけやと思ってたわ」
「大先生もなんかしたんすか」
「お前俺のこと散々バカにしといて、自分もなんかやらかしとるんかい！」
「アホお前、俺がロボロのケツ拭いにAちゃんとこに謝りに行ったんやないか！」
「謝りに行った割りにはアイツ怒っとったけどな」
コネシマの冷静な指摘に言葉が詰まる鬱。
それもそのはず、あの場で鬱を帰させた狼の正体はコネシマそのものだったからだ。
「まあまあ一旦落ち着かんかい。お前らは未来から来た女の子に手ェ出した、それだけや」
「まだ手ェ出してないもん」
「男がもんなんか付けても可愛ないんじゃい…まあええわ、それでグルさん、続けてどうぞ」
トントンがそう言うとうん、と頷いてまたグルッペンは口を開いた。
「単刀直入に言うと＿＿＿
俺もAのことが気になる。
直々に、我が妃にしてやらんでもない」
続く
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にゃーちゃん - めちゃくちゃ好きです…!!マジで尊過ぎる…しかも推しの一人(htrn)出てきたってマジ？神回の予感しかしない…!!!更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (2023年5月3日 0時) (
レス) @page27 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
柚衣 - 続きがとても待ち遠しいです！妖パロめっちゃ好きなので、この作品を見つけることができて、よかったです。更新頑張ってください(^∇^) (2022年4月19日 18時) (レス) @page25 id: a954c39e8d (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - 珍しい妖パロですねえこういうの雰囲気結構好きですねええ続きが楽しみだわ。神作品だねえ (2021年9月12日 14時) (レス) id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
トシinミルク - 続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年4月18日 9時) (レス) id: 4eab459e35 (このIDを非表示/違反報告)
因幡 - 続き待ってます (2020年4月16日 21時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一条
| 作成日時：2020年4月16日 11時
