参拾の話 ページ30
「おうロボロ、お前例の女攫ったんやってな！どやった、ようやく抱けたんか？」
「アッお前その情報どっから…！あっお前、大先生やろ！あの情報知ってるのなんかあんさんしかおらん！」
「悪いなロボロ、あの情報知らん妖は江戸にはおらん」
「なんやとぉ！？」
城の中では、異形のもの達がひしめき合っている。
角、複眼、翼、尻尾…そのどれもが彼らは人間では無いことを示唆していた。
江戸城主達もこの時間は下の階の部屋に詰められ、華やかな宴会会場と化した上階は既に妖達の住処であった。
先程からロボロと肩を組んで、威勢のいいことを言っている男はゾム＿＿＿妖がひとつ、犬神である。
ただ世間で言い伝えられている犬神とは少し違って人の家に住み着いたりすることはなく、その日その日に気に入った家に憑き、家にある食料を勝手に荒らすような、野良犬に近い習性をしている。
「なになに、ロボロがAちゃん誘拐して嫁にしようとしたところ逃げられたって話？」
「オスマンお前、一から十まで知ってるやんけ」
「細かいところ知らんから教えてくれん？」
「それで誰が教えんねん！」
手をバタバタさせながら怒るロボロをくすくすと笑う中性的な男はオスマン。彼は
先の未来を予見することが可能であり、そして人の心を読むことも得意とする、例え妖であっても敵に回したくない奴だ。
「で、コネシマはそのAにお熱と…」
「おいチーノ、お前なんやその情報」
「いやー、俺はひとらんらんさんに聞いただけっすよ」
「いやなんでひとらんもそんなん言うとんねん」
「俺はシャオロンに聞いた」
「おいシャオロンちょっとツラ貸せ」
しゃがれた声でツラ貸せ、と脅すのはコネシマ…ゼロに傘を借りたことのある金髪の男。
そしてゲッとあからさまな声を出したのはシャオロン。彼らはあの神社を守る“狛犬”である。
何故神社を守る狛犬が、この江戸を支配する夜行の中心にいるのか、知る者はいない。
「ぺっぺっ、最近のアイツ人間の匂い強なってて無理やわ…こんなんになったのも全部ショッピくんがあの女連れてきてからやぞ！」
「そんなん知りませんよ、俺はそもそも連れて来た時から帰したかったんですけど…あのエーミールって男が邪魔するから、」
「あんなへっぽこ陰陽師に負けるとか、猫又って全然あかんな」
シャオロンがそう言うとショッピは分かりやすく顔を顰める。
その時、パンパンと手を叩く音がした。
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にゃーちゃん - めちゃくちゃ好きです…!!マジで尊過ぎる…しかも推しの一人(htrn)出てきたってマジ？神回の予感しかしない…!!!更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (2023年5月3日 0時) (
レス) @page27 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
柚衣 - 続きがとても待ち遠しいです！妖パロめっちゃ好きなので、この作品を見つけることができて、よかったです。更新頑張ってください(^∇^) (2022年4月19日 18時) (レス) @page25 id: a954c39e8d (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - 珍しい妖パロですねえこういうの雰囲気結構好きですねええ続きが楽しみだわ。神作品だねえ (2021年9月12日 14時) (レス) id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
トシinミルク - 続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年4月18日 9時) (レス) id: 4eab459e35 (このIDを非表示/違反報告)
因幡 - 続き待ってます (2020年4月16日 21時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一条
| 作成日時：2020年4月16日 11時
