弐拾肆の話 ページ24
鬱に会った日から、少しの時が経った。
今日はとても天気が良くて、体に溜まっていたストレスが全ての毛穴から抜けていくような気がする…
と言っても、現世にいた時よりだいぶとマシだ。
社畜時代はストレスをストレスとも感じられないほどに感覚が鈍ってたから、私も常人に戻れたんだなとつくづく感動する。
さんさんと差す朝日の眩しさでエーミールさんよりも随分早くに起きた私は、全身でその光を浴びたくて、玄関から外に出た。
『お天道様万歳だなぁ〜……ん？』
ぐーっと伸びをして、神社の方を見ると、人影があった。
ひょいと身を乗り出して見てみると、賽銭箱の前で手を合わせて、お祈りしている人がいる。
珍しい金髪の短い髪に、青色の着物を着ている背の高い男の人。特徴こそ異国人のようだけど、目鼻立ちは日本人の美男らしい。
こんな朝早くに参拝客がいるんだ、と思って話しかけに行こうとすると、私が足元の木の葉を踏んだ音を聞いたその男性は、音が聞こえるやいなやその場から走り去ってしまった。
ビックリさせちゃったかな。いやでも、走り去る程？
「Aさん」
『うわっ！！！』
いきなり後ろから声をかけられて、思わず前のめりに倒れる。
その前に、エーミールさんは私の手を掴んだ。
「おっと…大丈夫ですか？」
『はい、なんとか…おはようございます』
「おはよう。えらい早いな？」
『天気が良いので早起き出来ました！』
私が胸を張ると、エーミールさんは天を仰いで、ほんまやと呟いた。
『あの、エーミールさん。金髪のお知り合いっていますか？』
「金髪？いえ…私の知り合いに異国人の方は居ませんが」
じゃあ知り合いじゃなくて普通の参拝客かもしれない。にしても朝早すぎやしないか？
現世で言うランニングついでみたいなものなのかな。
「誰か来てました？」
『参拝してた人が』
「へえ…珍しいですね。ここに神様なんているんでしょうか」
そっか、エーミールさんはあの母親達のことを知らないんだ。
いつもあの時間帯はエーミールさんは仕事に出てるから、見かけたことすらないのかもしれない。
『朝食にしましょうか。今日は私が作ります』
「それはそれは。Aさんの料理は味付けがいつもと違って面白いんですよ」
『現代風なんでね…濃いのかな』
生憎この時代の味付けのいろはとか全く知らないし、私は自分が現世で身につけた技しか持ってない。
それでも良ければ、と私は彼に料理を振舞った。
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にゃーちゃん - めちゃくちゃ好きです…!!マジで尊過ぎる…しかも推しの一人(htrn)出てきたってマジ？神回の予感しかしない…!!!更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (2023年5月3日 0時) (
レス) @page27 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
柚衣 - 続きがとても待ち遠しいです！妖パロめっちゃ好きなので、この作品を見つけることができて、よかったです。更新頑張ってください(^∇^) (2022年4月19日 18時) (レス) @page25 id: a954c39e8d (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - 珍しい妖パロですねえこういうの雰囲気結構好きですねええ続きが楽しみだわ。神作品だねえ (2021年9月12日 14時) (レス) id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
トシinミルク - 続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年4月18日 9時) (レス) id: 4eab459e35 (このIDを非表示/違反報告)
因幡 - 続き待ってます (2020年4月16日 21時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一条
| 作成日時：2020年4月16日 11時
