拾捌の話 ページ18
鬼…ロボロに誘拐紛いのことをされてから一日が経った。
エーミールさんは今日も朝早くから仕事へ向かい、私は暇を持て余す。
『掃除掃除…って、なんでこんな散らかってるの』
昨日は疲れ切ったのか、直ぐに布団に入ってしまって気付かなかったけど、部屋中が散らかってる。
…もしかしなくても、私を探してくれてたのかな。
私自体を探していた訳じゃなくても、何かしら慌ててたんだろう。
…なんだかまた申し訳なさが。やめよう。
散らかった部屋を申し訳程度に片付ける。
本とか元あった場所とかちゃんと覚えてないけど、次エーミールさんが読む時にわかりやすい場所に置いておかないと。
*
『こんなもんか…まあ、完璧じゃないけど、どこにあるかと聞かれたらすぐ答えられる！』
一通り部屋を片付け終わり、次はどうしようかと悩んでいると、今日もまた扉を叩く音がした。
…またロボロかもしれない。
でもこの鈴があるなら開く前に分かるし、と思いながら、私は左手でエーミールさんに貰った鈴をぎゅっと握って、玄関に向かった。
『…どなたですか』
返事はない。
でも、鈴も鳴らないから多分人間…だと思い、私は扉を開ける。
前には誰も居なくて、下を見ると小さな男の子と女の子が立っていた。
ロボロとは違って顔に紙は付けてなかった。
『…？どうしたの？』
「ん！」
女の子と男の子は兄妹のようで、女の子は男の子の後ろに隠れて、男の子は私に箱を手渡した。
『何これ…って、わっ！！！』
「っはは！！引っかかったー！陰陽師ってみんなバカなんだー！」
箱の蓋を開けると、中からはカエルが飛び出してきた。
特にカエルが苦手などという訳でも無いが、いきなりの事に驚いて私は腰を抜かす。
カエルはゲロゲロと鳴きながら川のある方向へ飛んで行った。
「こら！何してるの！」
「げっ、母さん…」
「陰陽師さん、すいません…って、あれ？貴女…」
『げ、元気なお子さんですね…』
*
「ごめんなさい…」
「ご、ごめんなさい…」
母親に怒られて、不貞腐れた顔で謝る男の子と、怯えた様子で謝る女の子。
子供のしたことだし、そんな怒っては無いけど…
「ごめんなさいね。この子たち陰陽師さんにいつもちょっかい出してて…ところで、今日は陰陽師さんは？」
『お仕事に出てます。私は留守番係というか…何か御用でしたら私から伝えておきましょうか？』
「いいえ、大丈夫ですのよ。私達、ここに安産祈願をしに来ただけですから」
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にゃーちゃん - めちゃくちゃ好きです…!!マジで尊過ぎる…しかも推しの一人(htrn)出てきたってマジ？神回の予感しかしない…!!!更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (2023年5月3日 0時) (
レス) @page27 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
柚衣 - 続きがとても待ち遠しいです！妖パロめっちゃ好きなので、この作品を見つけることができて、よかったです。更新頑張ってください(^∇^) (2022年4月19日 18時) (レス) @page25 id: a954c39e8d (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - 珍しい妖パロですねえこういうの雰囲気結構好きですねええ続きが楽しみだわ。神作品だねえ (2021年9月12日 14時) (レス) id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
トシinミルク - 続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年4月18日 9時) (レス) id: 4eab459e35 (このIDを非表示/違反報告)
因幡 - 続き待ってます (2020年4月16日 21時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一条
| 作成日時：2020年4月16日 11時
