弐の話 ページ2
『えっと…取り敢えず、拭く？』
「にゃあ」
『ちょっとここで大人しくしててね、タオル持ってくるから』
道端に居たのは黒っぽい猫。毛は野良猫にしては少し長くて、まるでさっきまで飼われてた猫みたい。
私はその子を家に連れ帰り、リビングのクッションの上に寝かせた。
『はーい拭こうね〜ごしごし〜』
「ふに゛ゃあああ」
『今日の昼、ちょっと雨降ってたからやっぱ汚れてるね』
白いタオルが少し汚れちゃったけど、どうせ洗濯するし良いよね。タオルってそういうもんだし。
『怪我したところ…血が出てるね。これって人間が使う包帯とか傷薬でいいのかな…分かんないや、ググろう』
「にゃー」
『舐めたら治る…いや治ってないし、アロエ…は無いし、えーっと……ガーゼで押さえて、3分間血が出血が治まらなかったら包帯でキツく…よし、おいで猫ちゃん！』
「にゃぁ」
おいでって言っても来ない猫ちゃん。そういや足怪我してるから歩けないよな。すまんすまん。
私が猫に近づいてガーゼで傷口を押さえる。
3分間立っても出血が止まらなかったので、今度は包帯を巻いた。
「ふにゃあ」
『ん？……可愛いな、猫。疲れてたからすごく癒されるにゃぁ……』
私の膝の上で寝転ぶ猫ちゃん。猫って懐きにくい筈なのに、この子はだいぶフレンドリーだな。
一応と思って首を確かめてみたけど、首輪は着いていなかった。
『…君、どこから来たの？』
「にゃあ」
『……飼い主さんとか居る？家族は？…居たら、また捜してあげないとね。君も家族も心配でしょ』
「ふにゃあ……」
私のお腹に顔を擦り付けてくる猫ちゃん。
怪我してる自分のことより、私の事を気遣ってくれてるように見える。猫に心配されるほど酷い顔してんのかな、私……
『……あれ？』
「にゃ？」
『…君、尻尾、ふたつある……？いやいや、そんなわけ……』
猫は尻尾を触られるのが嫌いだとは聞いた事あるけど、今サラッと見えた尻尾がふたつあるように見えて不思議で仕方ない。
普通は一つだよね？
『猫ちゃん……？』
「……」
『………ほんとに、尻尾、二股だ…』
猫ちゃんの紫の目が私を捉える。
何故かその目が物凄く恐ろしくて、私は少し怯んでしまった。
「………にゃあ」
『……いや、疲れてるから、見間違いだね、ごめんね猫ちゃん。今日は一緒に寝ようか。汚いけど、シャワーは朝浴びるよ』
「……」
そう言って私はベッドに猫ちゃんと飛び込んだ。
『明日には治ってるといいね』
「にゃあ」
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にゃーちゃん - めちゃくちゃ好きです…!!マジで尊過ぎる…しかも推しの一人(htrn)出てきたってマジ？神回の予感しかしない…!!!更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (2023年5月3日 0時) (
レス) @page27 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
柚衣 - 続きがとても待ち遠しいです！妖パロめっちゃ好きなので、この作品を見つけることができて、よかったです。更新頑張ってください(^∇^) (2022年4月19日 18時) (レス) @page25 id: a954c39e8d (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - 珍しい妖パロですねえこういうの雰囲気結構好きですねええ続きが楽しみだわ。神作品だねえ (2021年9月12日 14時) (レス) id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
トシinミルク - 続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年4月18日 9時) (レス) id: 4eab459e35 (このIDを非表示/違反報告)
因幡 - 続き待ってます (2020年4月16日 21時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一条
| 作成日時：2020年4月16日 11時
