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銀時side
「どこにも行くな」なんて柄にもねェことを言っちまった
すると悲しそうな顔で俯くA
「ずっとそばにいる」
そう言ったAはその続きを言おうとしない
大方予想はついた
自分のことを責めているんだろう
昔からそうだった。
お人好しで自分のことは気にせず人のことばっかりで
もっと自分を大切にしろ、何度そう言ったことか
それも昔の話だ
覚えてないのかもしれない
Aには辛い思いをたくさんさせちまった
これ以上この小さな体にそんなことはさせない
今は隣に、手の届くところに此奴がいる
辛いことも苦しいことも全部俺が背負う
苦しみを味わうのは、俺だけでいい。
俺は、それ相応のことをしてきた
当たり前なことだ____
ごちゃごちゃ考えるのをやめ、俺は俯くAの頭をワシャワシャっと触った
「ふわぁ!」なんてかわいい声をだすA
銀時「色気のねェ声
そんなんじゃ誰にも貰ってもらえねェぞ?」
そう言うと頬をふくらませて
貴方「いーもん!べつに!きっと王子様が迎えに来てくれるもん!」
銀時「ガキかテメェは」
お互い、ははっと笑った
今はこの戻ってきた あたりまえ が少しでも
続くように
そう願った
その後また少し歩いてAを家の前まで送り
無事部屋に入ったのを見てから元来た道を戻った
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作者名:桜羽 | 作成日時:2018年11月24日 0時