たまごレーダー ୨୧ 愛乃 ページ4
*
「んで、忘れ物って一体?」
「えっとねぇ、たまご」
「たまご」
「たまごです」
自信満々にそう言って袖からごそごそと出てきたのは……確かに、卵。どちらかというとゆで卵を半分に割ったような物。
黄身(?)の部分は小さな画面になっており、中心で4つの丸が一定の速さで点滅を繰り返していた。
それを見たアキノリはナツメと代わるように目を丸くしてウニフラッシュがつく勢いでその卵のような機械を指さす。
「ああっ!妖魔レーダー!!助かった!!」
妖魔レーダー―――この卵はそういう名前らしい。
さも知っていたかのような表情でやれやれ…といったポーズを取ると、ダンチョーのくせに忘れ物しちゃダメでしょー?とそよは茶化す。
「たまごちゃん可哀想」
「だからこれ妖魔レーダー……」
「たまごちゃんはそんなにいかつい名前じゃない」
「認めろこれは妖魔レーダーだ」
「………たまごレーダー」
「よ・う・ま!!」
アキノリは卵…もとい妖魔レーダーを受け取りながらツッコむと、常にジト目を向けるそよからずっとくっついては離さない隣の少女へと目を向ける。
「てかそよ、その子はどうした」
投げかけられた疑問に「え」とそよが一言漏らすと、二人の少女はお互いに目をパチクリさせて視線を交わす。
「……ともだちいたので」
「われらがまぶだちです」
その少女は初めて口を開くと、そよと両手でハイタッチして見せた。
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