ghost.46 ページ46
私、馬鹿だなぁ…。
私はきっと、勘違いをしていた。
今まで、周りと交流するための行動を起こしもせず、何もかも自分で解決して、人の手を借りることも、人と協力することもしてこなかったのに、「孤独だ」なんて、そんなのあまりに自分勝手だ。
人は一人じゃ生きられないのに。
もう、死ぬだとか、そんなことを考えるのはやめよう。
そんな発言、私を好きだ、必要だと言ってくれた優しい人に失礼だ。
私は、私を必要としてくれる人のために生きよう。
「……ころんくん、ありがとう。
ころんくんの気持ち、とっても嬉しいです。
私、恋とかそういうのには疎いんだけど、
この気持ちは恋だなって、なんとなく分かる。
私も、ころんくんのことが好きです。大好き」
「……えっ、ま、マジ…?」
「マジ、です…。
ころんくんといると本当に楽しくて、
この時間がずっと続けばいいのにって思う。
これって多分、恋、だよね…?」
「えっ、それ、僕に訊くの…!?」
「うん…」
私の返事を受けて、ころんくんは顔を真っ赤に染めながら「恋、だとオモイマス…」と言った。
な、なんか恥ずかしい……。
顔の火照りを抑えるためにぱちん、と頬を叩き、私はまたころんくんに向き直った。
私は、私を必要としてくれてるころんくんのために生きる。
そのために、私はこの生活を終わりにしなきゃ。
「ころんくん、ありがとう。
今度は私がころんくんのお願いを叶える番だね。
_____私、自分の身体に戻ります」
「…!A……!!」
「戻ってすぐに意識が戻るかは分からない。
けど、やれることは全部やってみる。
私頑張るから、だから……」
そこまで言って、言葉に詰まってしまった。
これを言ってしまっていいんだろうか。
自分の身体に戻って、すぐに意識が戻るという自信はない。
すぐじゃないとしたら、どれくらいの時間がかかるのか、
それすら分からない。
そんな先行き不安定な状態なのに、「待ってて」なんて…。
「……A、大丈夫。
僕ずっと待ってるから」
「……!!」
ころんくんのまるで私の心を見透かしたかのような発言に、ビックリして思わず顔を上げた。
「何週間、何ヶ月、何年かかってもいいよ。
ずっとずっと、Aのこと待ってるから」
「僕がずっとついてるよ」。
優しい笑顔でそう言われて、また涙が零れ始めた。
317人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「すとぷり」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ましゅ☆まろ。紫月まろ。(プロフ) - とっても面白かったです!今更ながらですが、完結おめでとうございます! (7月24日 12時) (レス) @page50 id: df7b4f216a (このIDを非表示/違反報告)
葉琥(プロフ) - 完結おめでとうございます。信じてもらえないかもしれませんが自分も一回幽体離脱したことがあって、その時、夢主ちゃんと同じような体験があってこんな偶然あるんだな〜っと思いながら読んでましたw (2020年9月5日 23時) (レス) id: b0d47f7052 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - 完結?おめでとうございます!!さとみくんが出てきた所で一人でずっとつぼってましたwお話面白い部分もあり、切ない部分もあり、すごく面白かったです!ありがとうございました! (2020年3月29日 0時) (レス) id: d37bac9867 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - お疲れ様でした!!すごく面白かったです!! (2020年3月28日 17時) (レス) id: e38bb1f61d (このIDを非表示/違反報告)
詩織-siori‐ - すごくおもしろかったです。意外性のある作品だったので先が読めなくてすごく楽しかったです。 (2020年3月28日 15時) (レス) id: 2a36034942 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2020年2月28日 18時