同居人はユーレイです。【青】

ghost.25 ページ25

「怪しい…。
　やっぱり彼女かな？」

「いや、彼女はいないゆーてたし、
　そもそも出来たら報告してくるやろ」

「じゃあなんだ？
　ころんの片思いってこと？」

「るぅとくん何か知ってる？」

「……」

「るぅとくん？」

「……えっ？あ…
　さぁ、分かんないや…」





.






「ただいまー！」


今日の僕はいつもよりテンション高めだった。

なぜなら、予定より二時間も早く家に帰れたから！

今日は帰ったらAとゲームをしようと約束していた。

そしてなんと、気分が良すぎてAの好物であるイチゴ大福まで買ってきてしまった。

A喜ぶだろうな〜！

ま、さとみくんとのことに関してお説教しなきゃですけどね！




「……あれ？」


家の中はしんと静まりかえっていた。

今日はいつもよりテンション高めで「ただいま」を言ったはずだったんだけど、聞こえなかったのかな？


もう一度「ただいまー」と言ってみたが、返事はなし。

いつもだったら玄関まで飛んできて「おかえり！」って笑顔で出迎えてくれるのに。

リビングでテレビでも見てんのかな？



「A−？」



リビングの扉を開けたが、やはり部屋の中は静かだった。

Aがリビングにいないなんて珍しい…。

いつもリビングでテレビを見るか、掃除をするか、洗濯物を畳むかしてるのに…。


あっ、もしかして別の部屋で掃除してるとか？

そう思って家のなかをうろついてみたが、どこにもAの姿は無かった。


え、なんで…？


Aは一人で外には出られない。

よって家の外に居るということはありえない。


どこ行っちゃったの……？



もしかしてどっかに隠れてるとか…！？

そうだ、Aのことだからきっとドッキリでもしかけてるんだろう。

僕がAを探して家のなかを歩き回ってるところで、突然現れて驚かす！という魂胆なんだろう。


残念だけどその手には乗らない。

ここでじっと待ってて、Aが諦めて出てくるのを待とう。



……しかし、そのまま30分待ってみても、Aは現れず。

何してんの？もしかして寝てんの？


しびれを切らして「A−！？」と名前を呼んでみたが、返事はない。

家の中は相変わらず静まりかえっている。



そのまま一時間以上待ってみたが、Aが現れることは無かった。
　

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