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「捨てないの?」
「メイくんがファンを大切に思ってるのは知ってるから。ファンの子達が居てDOGがあったからメイくんに会えたんだし、純粋な手紙だったらメイくんにとって大切な物でしょ。だから手紙は捨てない」
手紙を読んでいる時のメイの穏やかで嬉しそうな顔を見ていると捨てる事が出来なくなった。
きっと手紙に散りばめられた多くの言葉が今までメイの支えになっていたのだろう。
それはきっと私がメイを知るずっと前から。
「…ありがとう」
返された手紙を大事そうにバッグにしまう姿を見て自分の判断が間違いで無かった事が証明された。
「ただメイくんは私の物だよ」
「うん、大丈夫。分かってるよ」
噛まれて赤くなった私の首を撫でた。
しばらく消えそうにないほどに、くっきりと残っている。
「ねぇA、おねだりしていい?」
「ん?なーに?」
「安いのでいいから俺にもチョーカープレゼントしてくれる?」
「もちろん。いいよ」
「ありがと」
嬉しそうな顔で飛び付いてきたメイを抱き締めた。
大人なのかと思えば無邪気で、そしてたまに冷めた目を見せる彼はどれが本当の彼なのかが分からないが、きっと全てが上手く共存しているのだろう。
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作者名:emilia | 作成日時:2017年9月19日 18時