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「 お前、俺のこと怖がってるよな 」


その声はいつもより慎重に感じた。


目線を彼の方に向けると、
長めの髪に隠れて表情は見えなくて不安になる。




『 それは、昔の話です 』


まだ抜けない敬語で思いを伝えようと振り絞る声。







私の方をちらりとも見ずに彼は
私と反対方向へ目線を向けた。

そしてそのまま、言葉を紡ぐ。






「 俺が来いって言ったら、生徒会室に来るしよ

俺が帰ろうと言えばついてくる


______ 従純すぎやしねぇか 」





その想いに返す言葉は見当たらなかった。

なぜなら確かにそれは事実であるからだ。







それは昔の話で、今は自分の意思だから。





朔間さんに会いたくて 、


その瞳に私を映して欲しくて 、



______ 愛されたくて。









すき、と言いたかったのに

口が動くことはなかった。





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作者名:白城あろ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年4月22日 16時

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