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冬休みが終わって、また通常通り学校が始まる。
私達は、別に付き合っていることを隠そうとしなかった。
「・・・おはよー。」
「おはよう亮くん。」
朝は一緒に登校する。
亮くんと二人で決めたことの一つだった。
呼び方もそう。
「錦戸くんは距離あるなぁ」なんて言うから。
この期に及んで変更した。
最初は違和感があったけど、もう慣れた。
そんな私たちの関係はどこでバレたか知らないけど、
SNS上であっという間に広がって。
冬休みが終わる頃には、周知の事実になっていた。
いじめは酷くなると分かっていた。
当たり前だ。冴えない女子が、ついにイケメンを掻っ攫ったんだから。
だから私は、鎧を纏うことにした。
マトリョーシカをやめた私は、もう普通を演じる必要はない。
周りに認めさせるんだ。
この女だったら仕方ないと。この女だったら亮くんに相応しいと。
それに。
案外私も執念深い。
姿を現した“中”の私は、亮くんを手放したくないと強く求めた。
美しくなりたいと言った。
でも、私は知っていた。
ブスの女が、簡単に男を堕とせるわけがないと。
それを簡単にやってのけた母親は、そしてその血を引いている私は、
少なくともブスではないと。
そしてそんな中の上ぐらいの女は、簡単に美しくなれる。
伸ばしていた髪の毛を肩辺りまでバッサリ切った。
そしていつもより早起きして、髪の毛を緩く巻いて薄く化粧をして。
・・・うん。完璧。
登校日の日。
亮くんは、目を丸くした。
・・・何だか、恥ずかしい。
「え、それ・・・。」
「似合いますか。」
「すごく、似合うと思います・・・。」
「何で敬語(笑)」
ふふ(笑)と二人で笑い合って。
並んで歩きながら、亮くんは私に尋ねる。
「なんで、イメチェンしたん？」
・・・イメチェン、か。
「・・・我慢しなくなっただけだよ。」
「え？」
ぼそっと呟いた言葉を、聞き取れなかった亮くんは聞き返すから。
ううん。と首を横に振って。
「・・・亮くんの隣にいたいから。」
「・・・・別に俺、顔で選ぶような男やないけど。」
知ってるよ。そんなのとっくに。
だから好きになったんだもん。
でも、私の自己満足だから。
「・・・まぁでも。」
「・・・。」
「可愛いと思う。」
言い終わると亮くんはぷいとそっぽを向いて。
その耳は真っ赤。
何だこの、バカップルみたいな会話。
私は苦笑しながら、でもその甘さに酔いしれていた。
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なるせ*(プロフ) - 笹塚カナメさん» コメントありがとうございます!!共感していただけるのが作者としては一番嬉しいものです。感想ありがとうござました(*´▽｀*) (2018年5月16日 4時) (
レス) id: 7b25f3aafe (このIDを非表示/違反報告)
笹塚カナメ(プロフ) - 主人公の考え方、作者さんの表現力に感動いたしました。あっという間に読み終わってしまいました。これからも応援しております！ (2018年5月16日 2時) (レス) id: 180a39eeb3 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ*(プロフ) - うさたぬき。さん» コメントありがとうございます（ ´∀｀）ここから佳境ですので続きもぜひぜひご覧下さい(*´∀`*)ノ (2018年4月11日 22時) (レス) id: 91b64b0a9a (このIDを非表示/違反報告)
うさたぬき。 - 続きが気になります！更新頑張って下さい＾＾ (2018年4月11日 16時) (レス) id: e14d5f519c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なるせ* | 作成日時：2018年4月2日 19時
