赤髪×ヤクザ ページ6
・・・はぁ。
捕まれた両腕、引き込まれた路地裏。
私の目の前を取り囲むいかついお兄さんたち。
「おいお嬢ちゃん、やったこと分かってんだろうなぁ・・・？」
「・・・。」
「ハッ(笑)兄貴、震えてますよこいつ(笑)」
遡ること10分前。
なんとなぁく外の空気が吸いたくて、事務所からふらぁっと出たらこの有様。
そっちが偉そうに歩いてるからぶつかっただけじゃない。
それにね、震えてるのは怖いからじゃないの。
・・・イライラしてんのよ。
「・・・離れた方がいいと思うけど。」
「ハァ？」
「あなたたちのためを思って言ってるの。
私から離れて。」
「・・・おいお嬢ちゃん。
あんまり俺らのこと舐めたらいけねぇよ。」
「・・・。」
「俺らの気分次第でなぁ、」
ガっと顎を掴まれて、無理矢理上を向かされた。
目に映るのは、凶悪そうに笑う男の顔。
「・・・お嬢ちゃん一人壊すことぐらい、簡単なんだぜ？」
「・・・・はぁ。」
思わず、溜息が出た。
言ったよね、私。
だからもう私の責任じゃないよね？
「おい、ふざけてんのかテメェ！！！！」
「・・・ふざけてないわよ。
それに、私忠告したからね？」
「あぁん？」
「死んでも、知らないわよ。
ねぇ。
.
・・・忠？」
視界の右端に映る赤髪に白いロングジャケットの彼。
私の言葉を聞いて苦笑いをした。
「分かりましたよ(苦笑)
・・・じゃあ、死なない程度に。」
そう言った瞬間、まず吹っ飛んだのは私の右腕を掴んでいた男。
あー可哀そうに、あばらイッちゃったかなぁ。
その後も、私を取り囲んでいた男を華麗な動きで倒していって。
最後に残ったのはおそらくこいつらのリーダー。
さっき兄貴って呼ばれてたやつ。
「な、何なんだよお前・・・！！」
「・・・“赤髪の忠”と言えば分かりますか？」
「！！！」
「フッ(笑)」
慄いた男を鼻で笑った彼は、そのまま綺麗に回し蹴り。
男は路地裏に吹っ飛ばされた。
「ありがとー忠。助かったぁ。」
「お嬢、ホンマに気ぃ付けてください。」
「うん。ごめんごめん(笑)」
役目を終えた忠は困り顔で私の下へ。
何を隠そう私は某有名暴力団の一人娘で、忠はうちの組の有力幹部兼私のボディーガード。
「謝る気ないでしょ？」
「いいじゃん、だって何があっても忠が助けに来てくれるんでしょ？」
「・・・それはそうですけど。」
「いつまでも守ってね？私だけのボディーガードさん♪」
「・・・分かりましたよ。どこまでもお守りします。」
end.
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作者名：なるせ* | 作成日時：2018年5月16日 4時
