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Aとキルアが一蓮托生の道を進む一方、多数決の道を選んだゴン達五人組は50時間の足止めをくっていた。



「ダメだ。このテレビ映らないや」


待機のために与えられた部屋に備え付けられたテレビ。砂嵐しか映らないそれを暇そうに見つめるゴン。


「ふむ。このテレビは他の受験者の様子が見られると書いてあるぞ。ここにリモコンもある」


説明書を読みながらクラピカが言った。


「え、ほんと!? それじゃ "99で決定"っと!」


ゴンが操作すると、画面にキルアとAの姿が映った。ノイズ混じりだが音声も聞こえる。
突然の別れとなってしまった彼らが無事であることに、ゴンは安心する。

後ろにいたレオリオとトンパも興味を示して、小さな画面をのぞき込んできた。


《よくここまでたどり着いたな……__》


「おいおい嘘だろ。あいつらあの囚人と闘うのか!?」
「レオリオどうかしたの?」
「あいつは解体屋ジョネスって言ってな、ザバン市最悪の大量殺人犯だぞ!!捻り潰されちまう」
「私も名を聞いたことがある」


「多分、キルアなら大丈夫だよ。ほら」


レオリオの心配とは裏腹に、画面の中のキルアは、ジョネスの心臓を抜き取るという常人ならざる技を見せ、勝利した。呆気にとられるレオリオ。ゴンがキルアは暗殺一家のエリートだと説明すれば、いっそう顔を引きつらせてみせた。





「二人とも、次はAの番みたいだぞ」
「おいおい、そりゃ流石にヤバいだろ」


Aの相手も雇われ囚人だった。同じくデスマッチを要求されている。ジョネスのように名の知れた相手ではなかったが、懲役のついた囚人に変わりはない。
Aを心配するが、こちらの声が彼女に届くはずもない。



「彼女なら大丈夫ですよ」


部屋に落ち着いた声が通った。発したのは物腰の柔らかそうな若い男性。壁にもたれかかって本を読んでいる。


「あぁ? あんた、ユズリハさんだっけ。何で分かんだ? その目は節穴か?」
「はははっ、何となくですよ」


レオリオが突っかかっていくと、男は暴力反対だと言わんばかりに両手を上げた。


「何となくだぁ? テレビ見てみろ!!、あんな大男相手にAが…………ってマジか」


レオリオは囚人を一瞬で倒すAを見て、口をあんぐり開いた。ゴン、クラピカ、そしてトンパまでもが息を呑んだ。





__そんな彼らの後ろで、男が口元に弧を描いていたことをAは知る由もない。

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冬瀬(プロフ) - 作者です。誤字等、まとめて修正しました。 (2022年3月5日 9時) (レス) id: 033bbfc38e (このIDを非表示/違反報告)
冬瀬(プロフ) - 妄想癖さん» 質問ありがとうございます!光の加減で、白色(限りなく無色透明)に見えるイメージです(言葉にしがたい)。光の反射とかで頭皮は見えないはず 笑。。「宝石の国」のキャラクター達みたいな感じです(気になる方は調べてみて) (2021年2月16日 13時) (レス) id: d80ecf15a6 (このIDを非表示/違反報告)
妄想癖(プロフ) - 無色透明ってことは禿げて見えるんですか?! (2021年2月8日 0時) (レス) id: 36f953a85d (このIDを非表示/違反報告)
冬瀬(プロフ) - 作者です。ちまちま修正中。 (2020年2月27日 23時) (レス) id: d80ecf15a6 (このIDを非表示/違反報告)
しらほ(プロフ) - フォスさん» きっとトプ画のことですね??多分。一言添えていますがトプ画は雪兎様に描いて頂きました。とても可愛いですよね!! (2019年2月24日 23時) (レス) id: 5f12e77188 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冬瀬 | 作成日時:2018年8月15日 19時

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