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残り時間37:30:00__
ついに最後の分岐点が、Aとキルアを待ち受けていた。



『"右は炎の道、左は毒の道"』

「99番262番、よくぞここまでたどり着いた。炎か毒、どちらに行っても死と隣り合わせ。クリアするにはどちらかを通るしかないぞ。もし無事に通り過ぎたら、残りは一本道だ。

そして、ここでラッキーチャンス!」


二人を繋ぐ手錠が音を立てて床に落ちた。



「目の前の引き出しには、防火服とガスマスクが一つずつある。ただし通れる道はどちらか一方。最初の部屋で提示したルールは以降無効とする。せいぜい悩みたまえ」


最初のルールとは、"両者生きてゴールすること"。ここまで協力させて最後で仲間割れってこと?タチの悪い試験だ。



「問題ねェな」
『え?』


突然、何かでAの顔が覆われた。キルアがAにガスマスクを被せたのだ。


『これじゃキルアが!』
「オレは毒じゃ死なねぇよ。一通りの訓練を受けてる」


二人でクリアするには他に手がない。Aは二人で毒の道に入るというキルアの意見に同意した。


毒の道に踏み入ると天井からガスが噴射され、あっという間にあたりに蔓延した。黄色がかったガスのため、視界も悪くなる。
約100mの小道を走り抜けて部屋に転がり込むと、来た道は頑丈な鉄扉で封鎖された。


『大丈夫?』
「あぁ平気だ」


しかし、キルアはガクンと床に膝をついた。


『キルア!?』

《おめでとう! 二人で毒の道を選び生きているとは!! だが、99番の方は無事ではないのかな?あのガスは特別製でね、いくら耐性があろうとも多少の影響がでるのだ。では残りクリアまで頑張りたまえ!》


「わりぃ」
『まだ時間あるし、少し休もうよ』
「ん」


壁際に座ると、Aの肩にもたれかかるキルア。こうして見ると年相応の少年に見える。





『……さて、お客さんですか』


Aが呟くと、向かいの道からぞろぞろと囚人が現れる。出口までの一本道、隠し扉に囚人を待機させるなんて趣味が悪い。


「よお、嬢ちゃん。坊主はおねむの時間か?」
『えぇ、だから静かにしていただきたいのですが』


Aはキルアを横に寝かせると、立ち上がって囚人に向かって右腕を伸ばした。


「はァ?お前何言って……」
『キルアが寝てるって言ってんの』


Aが殺気を放つと、蛇に睨まれた蛙のように動けなくなる囚人達。


『死にたくなかったら去れ』


囚人達は彼女のオーラに恐れをなし、来た道を逃げ帰っていった。

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冬瀬(プロフ) - 作者です。誤字等、まとめて修正しました。 (2022年3月5日 9時) (レス) id: 033bbfc38e (このIDを非表示/違反報告)
冬瀬(プロフ) - 妄想癖さん» 質問ありがとうございます!光の加減で、白色(限りなく無色透明)に見えるイメージです(言葉にしがたい)。光の反射とかで頭皮は見えないはず 笑。。「宝石の国」のキャラクター達みたいな感じです(気になる方は調べてみて) (2021年2月16日 13時) (レス) id: d80ecf15a6 (このIDを非表示/違反報告)
妄想癖(プロフ) - 無色透明ってことは禿げて見えるんですか?! (2021年2月8日 0時) (レス) id: 36f953a85d (このIDを非表示/違反報告)
冬瀬(プロフ) - 作者です。ちまちま修正中。 (2020年2月27日 23時) (レス) id: d80ecf15a6 (このIDを非表示/違反報告)
しらほ(プロフ) - フォスさん» きっとトプ画のことですね??多分。一言添えていますがトプ画は雪兎様に描いて頂きました。とても可愛いですよね!! (2019年2月24日 23時) (レス) id: 5f12e77188 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冬瀬 | 作成日時:2018年8月15日 19時

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