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その世界だけは ページ38

『…こんなもんかな。』

作業を始めて早10分、大体形も出来て来たところで、休憩を取ることにした。備え付けのポットから、マグカップに湯を注ぐ。

『…シルクとサヴァンは…どうしてるかな…』

シルクは買い出しだろう。弾を最大まで揃えるために、様々なところを回って貰っている。ここがアメリカで良かった。

日本であれば…銃刀法違反で即刻、捕まってしまうからな…まぁ、護身用にでも、常に携帯しておかなければ。

コトリとサイドテーブルにマグカップを置き、ボフッ!と音をたてつつ、ベッドに沈んだ。

『…今頃…どうしているかな…手紙…いつ渡す気でいるんだよ…それすらわからないこっちは…情報を掴めないこっちは…

闇と形容しても…可笑しくない。一寸先は闇…だなんて諺があるけれど、まさしくそれだな…

もう…戻りたく無かった世界。ずっと、あることを認識しているだけで良かった。当事者ではなく、傍観者でいたかった。』

だが…そんなこと、許される世界では無いことくらい、理解はしていた。俺が神無月家の人間である限り、当事者以外、ありえない。

灯油達は…こんな世界があることも知らないだろう。それで良い。むしろ、知って貰っていては困るのだ。

自分の醜い所が 露見してしまっているから。自分が闇の世界を牛耳っていることなど、知らなくても良い事なのだから。

世界は無知を許さないが…この世界には、知らなくても良い事が小惑星の数より多いだろう。闇の世界に関する事ならば尚更…

その情報を知っているだけで、殺されることもありうるのだから。そんな世界を…

灯油達に知らしめれば、どれだけ灯油達に被害が及ぶ事か…本当ならば、専属のSPでも雇って、護ってあげたかった。

でも、あまりあからさまに護っても、余計に狙われるだけだ。ならば、それ相応に護ってやらなければならない。

灯油達の普段の生活を壊さぬ様に、闇の世界に触れさせぬ様に…

人と関わっていなければ、この様な…こんな風な気遣いをする必要も無い。けれど、人と関わらずにはいられなくて。

自分がMIX師を始めたのも、自分の存在を誰かに知っていて欲しかったから…

闇の世界の住人では無い、普通の世界の人間に…知っていて欲しかったから…

ただそれだけ、自分のマシンスペックも、録音装置も、データベースでさえ、それだけのためだけに作ったもの。

それなりに強固なものだと思っていた。自覚していた。けれど…

そんなもの、自分の独りよがりでしかなくて…

今迄の鬱憤→←反抗の手



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カンナ(プロフ) - どっちもきになりますがハッピーエンドが見たいです!!。ただもし余裕があるのなら分岐点を作ってハッピーバッドどちらも書くのがいいかと思います(自分がどっちのエンドも気になってるだけですすみません;)これからも更新楽しみにしています。頑張ってください^^ (2014年5月17日 14時) (レス) id: 86dbfd6970 (このIDを非表示/違反報告)
persepone(プロフ) - ハッピーエンドでお願いします!! (2014年5月17日 4時) (携帯から) (レス) id: 289cdd45b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鋳薔薇 | 作成日時:2014年1月1日 15時

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