夏に咲く、紫陽花。- sho. -【3】

ranunculus 108 ページ10

「俺も、今までのA知ってたかった。でも、俺が大切にしたいんは」




《 今とこれから。》




その言葉に、胸が締め付けられた。

紫耀は今の私を見てくれていて

これからの私も見ようとしてくれている。



それがすごく嬉しくて
これから先も紫耀と一緒にいていいんだって
そう言ってもらえたような気がした。





「なあ、A。俺ん家、来る？」

「……え！？」

「予約してへんかったしちゃんとしたホテル探す時間もったいないし。ごめんな。気利かんくて」





申し訳なさそうに謝る紫耀




「え、なんで謝んの、そんなん泊まるつもり元々なかったんやし！てか、紫耀の…家って？」

「大阪まで戻らなあかんねんけど、帰ってきた時用に借りてる部屋あんねん。」

「それやったら…私ん家の方が近いし来る？」

「えぇぇぇぇ(汗)それは、ちょ、心の準備が…」

「あははは(笑)大丈夫、お父さんもお母さんも今旅行中やから。」

「そう、なん？」

「うん、やし私ん家にしよ」

「…ほな、そうしよか」




急遽、紫耀が私の家にお泊まりすることが決定した。

ranunculus 109→←ranunculus 107

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す