夏に咲く、紫陽花。- sho. -【3】

ranunculus 123 ページ25

鼻に掠めるいい香りで目が覚めた



「あ、A起きた？」



ベッドを軋ませて私の顔を覗き込む紫耀



「おはよ・・いい匂い・・」

「おはよ。朝ごはん作ったから一緒に食べよ」



ほら、って抱き起こされて
ぎゅーっと抱きしめられる


紫耀の家の柔軟剤の香りなのか
紫耀自身の香りなのか



幸せの香り



テーブルまで手を繋いで
椅子を引いてもらって座る


まるでお姫様になった気分


テーブルに並んでいるのは
サラダとスープとホットサンド




「コーヒーか紅茶かオレンジジュースどれがいい？」




キッチンからかかる声





「・・コーヒーがいいかな」

「おっけ〜♪」





こんなに至れり尽くせりでいいのかな

ってかこんな幸せな朝でいいのかな





「はい、ど〜ぞ〜」

「あ、ありがとう・・・」

「どしたん(笑)寝起きでまだぼーっとしてる？」

「あ・・いや・・幸せやなぁって思って・・・紫耀と一緒にいるだけで」

「・・・・・・」





黙り込んで私をジーっと見つめる紫耀

そして、優しく微笑んで





「俺も。Aと一緒にいれるだけで幸せ。」




ずっとずっと、


一緒にいたいね。

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