チェレステとホワイト

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そのあと、車に積んでいた荷物の片づけをしたり、干していた洗濯物をたたんでいたり、と
色々せかせか働いていると、あっという間に部活終了の時刻に。


じゃあな、また明日、と声をかけて部室を出ていく部員たちに返事を返し
私も着替えようかな、と考えていると。




「Aさん！」

「ん？…あ、真波くん」





にこにこと笑いながら近づいてくる彼は、どーん！と声をあげながら
私に飛びついた。

真波くんも手加減してくれたみたいで、そこまでの威力はなかったものの
そこはやっぱり男の子だ。

なんとか踏ん張り、倒れてしまうことは免れた。

ぎゅ、と私の腰に腕を回す真波くん。相変わらずの距離の近さだ。




「もう、飛びつかないの！危ないよ…」

「へへ、ねぇ、Aさん。俺インハイメンバーになったよ」

「あ…そうだったね、まだ直接言えてなかった。おめでとう！」




真波くんの嬉しそうな顔を見て、私もすごくうれしくなる。

でも、黒田くんのことを考えると胸が痛んだ。

結局どっちがインハイメンバーになっても嬉しかったと思うし
どっちがインハイメンバーになれなくても 悲しかったと思う。

私は八方美人だ。


今はインハイメンバーに選ばれた真波くんに、思い切りおめでとうを言うことしかできない。





「Aさんがいてくれたから、俺インハイメンバーになれたんだよ」

「…ふふ、口説き文句？」

「バレた？」

「真波くん、すごく速くてかっこよかった」

「ほんと？じゃあ俺のこと好きになってよ」

「んー…、ふふ」

「あ、笑ってごまかしてる」

「ごまかしてなんかないよ。好きだよ？後輩としてね」





後輩、という言葉を強調すると、真波くんは面白くなさそうな顔をする。

そういう好きじゃないよ、と文句を言う真波くんに、はいはい、と返しながら
頭を撫でる。





「Aチャァン」

「あ、荒北さん！なんですか？」

「あー、荒北さんだぁ」

「おー、不思議チャン。…お前ェら、なんか近くネ？」

「っ、あは、真波くん、ほんと甘えただから…！」





真波くんの身体をひっぺはがすと、真波くんは ぶーぶーと文句を言う。

荒北さんに変に誤解されるような場面は見られたくないの！と目で訴えかければ
不満を全開に出した視線を返される。

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