35つめ ページ36
「でも、約束をしました」
「…約束?」
「総悟くんは私を守るけど、私は総悟くんの心を守る約束をしました」
「……。」
「総悟くんの傍に行きたいです、どうか」
「なおさら聞けねェな」
「…なぜですか?」
「俺ぁ、総悟に頼まれたんだ。姫さんを守るようにってな。ほんとは俺も突撃隊だったんだが…あんな真剣な目で言われちまったら聞くしかねェだろ。それに。
命はってアンタを守ろうとしてるやつのとこ行って、死んで、そしたらどーなんだ。
総悟の努力は水の泡ってわけだ」
てなわけでアンタの意見は却下だ。
土方さんはそう言った。
と。
「ふ、ふ、副長ぉぉぉぉぉ!!!!!」
「…っるせーな、んだよ山崎」
「敵のアジトで、待ち伏せされていたようです!!!」
「は?」
「相手は俺達が来ること気づいてたみたいです!!!ピストルやライフルなんかの遠方射撃も用意してて、しかも応援呼んだみたいで人数しゃれにならなくて!!!!」
「…はぁ?!!!」
「次々に隊士がやられちまって、今は沖田隊長だけが建物に入ってボス倒しに行ったみたいです!」
「!…総悟くんが…!」
「ちっ、近藤さんに連絡しろ。あの人 今、屯所で他の仕事やってんだが…しゃーねぇ。屯所の隊士も全員応援に向かわせろ、九条家警護の隊士も俺以外全員向かわせる。
っと、姫さん。アンタは部屋に入ってな」
手首を掴まれ、部屋に放り込まれる。
「っ、土方さ、」
「ぜっっっっっってーーーーーーー出んじゃねーぞ」
ぴしゃん、と障子を閉められた。
どくん、どくんと心臓が暴れる。
総悟くんが、死んでしまうかもしれない。
そう思うと、胃から何かが込み上げ、背筋が凍るような思いになる。
堪えていなければ泣きそうだった。
ぐいっと出かけた涙をふき、急いで南側の畳のふちを持ち上げる。
畳をずらすと、そこには地下に続く階段。
何かあったときに、この経路を使って地下まで降りて、ずっと進んだ奥の階段を上れば屋敷のに出られる。
私を心配してくださった父上が作らせた秘密の抜け道。
泣いている暇はない、私は総悟くんを守りたい。
傍に行きたい。
急いで手燭を用意し、火をつける。
それをもって、階段を降りようとして。
―――――ぜっっっっっってーーーーーーー出んじゃねーぞ――――
土方さんの言葉がフラッシュバック。
いったん戻り、机に向かう。
「(お許しください、土方さん…!)」
130人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桃(プロフ) - 茜さん» 銀魂に出てくるキャラは皆素敵なので、少しでも良い所を出せていけたらな…と思いつつ書いています。だから、このようなコメントを頂けてとても嬉しいです!本当にありがとうございます(*'▽') (2016年8月10日 20時) (レス) id: 9f8ab9b016 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - もちろんです!この作品って沖田さんもすごく魅力的にかかれているけど、その他の銀さんとか夢主ちゃんもとっても魅力的で素敵ですよね! (2016年8月6日 15時) (レス) id: 4df2c4eb49 (このIDを非表示/違反報告)
桃(プロフ) - 茜さん» 抑え…きれるでしょうか…彼は…。二編で沖田さんはしっちゃかめっちゃかになります。どうかそんな彼を見守ってあげてください!(*'▽') (2016年8月6日 13時) (レス) id: 9f8ab9b016 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 沖田くん抑えきれるかな…。いや私的には抑えなくてもi((殴蹴 (2016年8月3日 1時) (レス) id: 4df2c4eb49 (このIDを非表示/違反報告)
桃(プロフ) - 茜さん» ただいま、第二編を作成いたしました。こちらでの執筆は終了しましたので、完結という形にしてしまいました…!お騒がせしてしまい申し訳ありません。どうかこれからもよろしくお願いいたします。 (2016年8月2日 20時) (レス) id: 9f8ab9b016 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桃 | 作成日時:2016年7月5日 20時