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27つめ ページ28

「……はしたないことを言ってごめんなさい……。

…でも、さっき、怖い人に追いかけられる夢を見て…。

総悟くんに抱きしめられたら、安心、するから、その、」







………してほしい、です。



隊服の袖を くい、と引っ張り、

上目づかいで ねだるような甘い声。




早く早く、と乞うように 少しずつ体を俺に近づけてくる。







これは俺は悪くない。





悪いのはAだ。






折角捕まえた理性を泣く泣く手放す(手放さざるを得なかった)。


「ん」と両手を広げれば、待ってましたとばかりに飛び込んでくるA。




俺の胸板に頬を摺り寄せ、俺を見上げたと思うと照れたように笑っていた。




魔性だ。





とか言いつつAの細い体を抱きしめる。





「…やっぱり安心します」

「他の奴が抱きしめても同じだと思うけどねェ。…人肌恋しいだけだ」

「違います。総悟くんじゃなきゃ嫌です…!」






ぎゅ、と俺に抱き着く力が強まる。


はぁ、とため息をついた。


可愛い。
愛しい。
大切にしたい。
傍にいてほしい。


そんな、あまりにも少女漫画チックな悩みが詰まったため息。






「…私は…皆さんに傷がつくことが怖いです」






ぎゅ、と俺の胸元の服を掴む。

俯いたままの顔は見えない。


A?と問いかけても 顔を上げることはなかった。






「父上が私のために新撰組の皆さんを呼んで、守ろうとしてくださっていることはわかっています。

でも、いいのです。

私は傷ついても構わない。


………真選組の方が………総悟くんが傷ついてしまうほうが、よっぽど怖くて、悲しいです。



だからよかった。

今回は、傷ついたのが私で」







息をのんだ。




お公家の姫様が、普通の人間じゃ持ち合わせていない考えを持っていたことに。





こいつは優しい。

でも、腹が立った。






Aが大事だからこそ、腹が立った。





俺達が剣を振るうのは、Aを守る為。

それなのに。



俺達の為にその命すらを簡単に捨ててしまいそうなその言葉。

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 真選組
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(プロフ) - 茜さん» 銀魂に出てくるキャラは皆素敵なので、少しでも良い所を出せていけたらな…と思いつつ書いています。だから、このようなコメントを頂けてとても嬉しいです!本当にありがとうございます(*'▽') (2016年8月10日 20時) (レス) id: 9f8ab9b016 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - もちろんです!この作品って沖田さんもすごく魅力的にかかれているけど、その他の銀さんとか夢主ちゃんもとっても魅力的で素敵ですよね! (2016年8月6日 15時) (レス) id: 4df2c4eb49 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 茜さん» 抑え…きれるでしょうか…彼は…。二編で沖田さんはしっちゃかめっちゃかになります。どうかそんな彼を見守ってあげてください!(*'▽') (2016年8月6日 13時) (レス) id: 9f8ab9b016 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 沖田くん抑えきれるかな…。いや私的には抑えなくてもi((殴蹴 (2016年8月3日 1時) (レス) id: 4df2c4eb49 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 茜さん» ただいま、第二編を作成いたしました。こちらでの執筆は終了しましたので、完結という形にしてしまいました…!お騒がせしてしまい申し訳ありません。どうかこれからもよろしくお願いいたします。 (2016年8月2日 20時) (レス) id: 9f8ab9b016 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年7月5日 20時

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