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20つめ ページ21

「あ、あの、総悟くん。渡したいものがあるんです」




俺の胸から顔を上げ、上目遣いでそういうA。

名残惜しくその細い体を離すと、Aは帯の中から小さな袋を取り出す。

それを俺に渡し、「開けて開けて」と目で訴えてくるもんだから テープをはがし中身を取り出す。





「………これ、」





出てきたのは、黒と赤の糸で綺麗に編み込まれたミサンガだった。

どこかで見たことのあるその糸は、Aと江戸の町に行ったときに買っていたもの。






「実は、土方さんに 相談していたんです。

作りたくてもミサンガの作り方を知らなくて…。

私が真選組の方で総悟くんの次にお話しする方は土方さんだから、頼ってしまったんです。

そしたら、土方さん ミサンガの作り方が書いてある本を買ってきてくださって。

どういう編み方をするか、それをどう編み込むか、とか 助言して頂いたんです。


…あと、総悟くんのお話もたくさん聞きました。




さぼり癖があること、刀を持たせたら右に出るものはいないこと、お姉さまを大切にしていること。

常に土方さんの命を狙っていること。…でもそれが近藤さんの隣にいたいがためのこと。

あまり心を見せず、不器用で、時には冷たいけれど…でも、本当は誰よりもあったかくて。





総悟くんの素敵なところ、全部、全部、聞いてしまいました」







そんな話を聞きながらミサンガを作っていたら、一週間もかかってしまいました。


苦笑いをしながら そう言う。




涙が出そうだった。


Aが、俺の為に 作ったこともないミサンガを作ったこと。


そして。




土方さんが、案外 俺の事をちゃーんと見ていたこと。




ふざけんな土方、気持ちわりィんだよ。

いつだってテメーは俺の天敵で、


いつだって、俺の最高の悪友だ。

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 真選組
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(プロフ) - 茜さん» 銀魂に出てくるキャラは皆素敵なので、少しでも良い所を出せていけたらな…と思いつつ書いています。だから、このようなコメントを頂けてとても嬉しいです!本当にありがとうございます(*'▽') (2016年8月10日 20時) (レス) id: 9f8ab9b016 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - もちろんです!この作品って沖田さんもすごく魅力的にかかれているけど、その他の銀さんとか夢主ちゃんもとっても魅力的で素敵ですよね! (2016年8月6日 15時) (レス) id: 4df2c4eb49 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 茜さん» 抑え…きれるでしょうか…彼は…。二編で沖田さんはしっちゃかめっちゃかになります。どうかそんな彼を見守ってあげてください!(*'▽') (2016年8月6日 13時) (レス) id: 9f8ab9b016 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 沖田くん抑えきれるかな…。いや私的には抑えなくてもi((殴蹴 (2016年8月3日 1時) (レス) id: 4df2c4eb49 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 茜さん» ただいま、第二編を作成いたしました。こちらでの執筆は終了しましたので、完結という形にしてしまいました…!お騒がせしてしまい申し訳ありません。どうかこれからもよろしくお願いいたします。 (2016年8月2日 20時) (レス) id: 9f8ab9b016 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年7月5日 20時

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