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12つめ ページ13

「きゃはは!」

「待ってよー!」





道の向こう側から、2人の子供が走ってくる。

元気があって可愛いね、とにこやかに言うA。
そうだねェ、と適当に返す俺。



と。





「わあっ!」

「お兄ちゃん!」





俺の横で男のガキが転んだ。
女のほうは妹らしく、兄に駆け寄り「大丈夫?」と心配そうにしていた。

起き上がったガキの膝にはべったりと砂と血が付いていて、相当派手に転んだことがわかる。







「大丈夫?!」






Aは俺から離れ、ガキに駆け寄る。

泣きわめくガキをなだめて、膝を見る。





「水で洗わないと…、総悟くん、どこかに水道は…」

「こっちにある。おい、立てるか?」

「痛くて立てないよぉ…」





ひっく、と涙をこぼすガキの頭を撫でるA。

俺はがきを抱き上げ、水道のあるほうへと連れていく。


後ろを見れば、妹とAが手を繋いで俺たちのあとをついてきていた。






――――――――――――

――――――――――――――……






「うん、綺麗になったね」





きゅ、と蛇口を閉めるA。

ガキの傷口は綺麗に洗われていたが、傷が深かったのかやっぱり血がにじんでくる。





「やっぱり包帯がないと…。あ、総悟くん、刀を貸してくださいませんか?」

「は?…何するんでィ。危ねーことすんな」

「危ないことはしません。お願いします」

「バカ言ってんな。刀を持ったこともねェのに危ねェだろ」

「絶対に大丈夫です!わがまま言ってごめんなさい、お願いします」

「………体に傷つけたら、怒るかんな」

「はい!」






渋々刀を渡すと、Aは地面に膝をつき 正座をする。
そして鞘から刀を抜き 慣れない手つきで柄を握る。


そして、左腕に向けて刃を向け―――……って






「何してんだ!やめ―――…!」






すぱん。




Aを止めにかかろうとすると、Aの膝に 何かがふわりと落ちた。


…布?




よく見れば、Aの着物の左腕の袖がなくなっていた。






「総悟くん、ありがとうございます」





俺に刀を返すと、切り落とした袖をガキの膝に巻き付けていく。






「はい、これでよし。おうちに帰ったら、ちゃんと消毒してね」

「うん!お姉ちゃん、ありがとう!里香、行こ!!!」

「うん!」

「気を付けてね」

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 真選組
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(プロフ) - 茜さん» 銀魂に出てくるキャラは皆素敵なので、少しでも良い所を出せていけたらな…と思いつつ書いています。だから、このようなコメントを頂けてとても嬉しいです!本当にありがとうございます(*'▽') (2016年8月10日 20時) (レス) id: 9f8ab9b016 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - もちろんです!この作品って沖田さんもすごく魅力的にかかれているけど、その他の銀さんとか夢主ちゃんもとっても魅力的で素敵ですよね! (2016年8月6日 15時) (レス) id: 4df2c4eb49 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 茜さん» 抑え…きれるでしょうか…彼は…。二編で沖田さんはしっちゃかめっちゃかになります。どうかそんな彼を見守ってあげてください!(*'▽') (2016年8月6日 13時) (レス) id: 9f8ab9b016 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 沖田くん抑えきれるかな…。いや私的には抑えなくてもi((殴蹴 (2016年8月3日 1時) (レス) id: 4df2c4eb49 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 茜さん» ただいま、第二編を作成いたしました。こちらでの執筆は終了しましたので、完結という形にしてしまいました…!お騒がせしてしまい申し訳ありません。どうかこれからもよろしくお願いいたします。 (2016年8月2日 20時) (レス) id: 9f8ab9b016 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年7月5日 20時

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