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30、夏の浜辺は知っている。 ページ30

アーヤのコトが好きですか?

と言われたら、全員が首を縦に振る。

好き、というのは恋愛的な意味も含めて。

恋愛とは、時に自らを滅ぼす刃になる。

それを抑えようと、相手を守ろうとしすぎて、時にそれは自分の視界を狭めてしまう。



今回の事件だって、もしかしたら自分と相手を守ろうとしたゆえの事件なのかもしれない。

あのルールが、アーヤを守ろうとしてすれ違った原因かもしれない。





「KZは、もう解散なんてしないからな!!」

そう言って、若武は笑う。

その笑顔に、皆もつられて表情を緩ませる。



「私も・・もう皆に、迷惑かけないようにする」

「あぁ。俺達は、何があろうが元に戻るからな」



アーヤは、KZを守ろうとしたが故に嘘をついていた。

それに最初に気付いたのは、他でも無い、若武で。



俺達を頼ってくれ・・そういわれた後、アーヤは号泣していた。

『ごめん・・本当に、ごめん・・!!!』

KZメンバーの胸に泣きつき、それを皆で見守った。



「最後の夜なんだし、アーヤも見つかったから・・天体観測でもしないか?」


ISH云々で忘れていたが、天体観測をする約束をしていた。



「こんな夜遅い時間に・・?怒られちゃうよ?」

しかし、そう言う小塚の顔はどことなくにやついている。


KZの意見は、満場一致だった。


「よーし!!行くか、天体観測!!」



その若武の言葉に、皆が笑顔で答えたのであった。




空は、曇り1つも無い、綺麗で澄んだ星空であった。


その空を見るKZを見守っていたのは、夏の浜辺と海だけだった。







「リーダー、何であんな事したのさ〜」

清川は、頬を膨らませて言う。

その意見については、藍園や粟木も同じらしい。


「あの子を逃がさなければ、悪戯は完璧だった」

「平和ながら、KZを崩壊させる案・・どうして変えたのですか?」


その質問に対し、清川燐秋は至って表情も変えずに言った。

「知らないね。でも、KZを崩壊させる案は、いつでもできるだろ?」


策略の清川、彼は失敗しないコトで有名である。

そんな彼を、不思議そうにISHは見つめ続けた。






「もう、この施設とはお別れだね」

名残惜しそうに言うアーヤ。

「でも、またこればいいさ。KZ全員でな」

若武・・いや、KZの意見はそうだった。



不思議だった3泊4日は、意外にもあっさりと終わった。




けれど、確実に彼らは・・“絆”を成長させたのだという。





END

0、語られない物語→←29、アーヤ



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ナミネ☆ - 危龍さん» ありがとうございます!現在、ISHの出るKZのお話を書いているので、良ければお願いいたします♪ (2017年9月13日 21時) (レス) id: af5c00d0de (このIDを非表示/違反報告)
危龍 - とても面白かったです。    私は、ISHが気に入りました。なので、ISH の出るkzの話を作って欲しいです。お願いします (2017年8月22日 8時) (レス) id: 28aad0d79a (このIDを非表示/違反報告)
まい - 砂原や翼を出してくれるなら4がいいです。 (2017年5月14日 13時) (レス) id: 48d0f73d72 (このIDを非表示/違反報告)
ナミネ☆ - 璃桜さん» コメントありがとうございます!!では、次回作が完結した後、そちらのほうを書かせていただきます、コメントありがとうございました! (2017年5月14日 8時) (レス) id: b0f37939b1 (このIDを非表示/違反報告)
ナミネ☆ - ひまりさん» コメントありがとうございます!!はい、では先に案4ほのぼのKZらいふ!を書かせていただきます、コメントありがとうございました! (2017年5月14日 8時) (レス) id: b0f37939b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナミネ☆ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年12月15日 15時

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