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28、305号室 ページ28

試合前同様、胸の高鳴りが収まらない。

あの少年が言ったコトが本当ならば、奴らは確実にこの部屋にいる。



ピンポーン

インターホンを鳴らすと、向こうから人がやってくる音が聞こえてきた。

そして、扉がギィ・・と開くと、そこにいた人物は、予想通りの人物であった。



「清川・・」

「あれ〜KZの皆さん勢ぞろいで!!うわぁ、どうしたんですか〜?」

相変わらず、笑顔は崩さない。

崩さな過ぎて、むしろ不気味だ。



最初に堪忍袋が切れたのは若武だった。


「ふざけんな!!テメーらだろ、アーヤを浚うって言ったのは!!!!」

「確かに、アーヤちゃんが奪われていることを教えたのは僕です。けれど・・」



その言葉の続きを、いつの間にか部屋から出てきた藍園が紡ぐ。

「俺達が浚う、とは言ってない。別の人物だよ、その人を浚ったのはよ」

「本当、すみません。僕達も、立花さんの居場所は知らなくて」

唯一攻撃姿勢を見せない粟木の言葉は、嘘にはみえない。




「じゃあ、アーヤを浚った人物は誰だか知っているのか?」

平静をよそいつつもどこか浮ついている黒木が問う。




「あぁ、知ってますよ。僕の兄です」



彼らはアーヤを奪うつもりなのに、どことなくおかしい点があり過ぎる。

こんなにあっさりした返答だと、逆に不気味である。



(だが、その情報を信じる以外、手はない・・)


苦渋の判断だが、今はそれを飲み込む以外無い。



しかし、ここまで来ると流石に犯罪ではないかと疑いたくなる。

彼らは犯罪にならない程度と言っていたが、どうしてそんな確証を得られるのであろうか。



「おい、清川。お前の兄はどこに・・」

若武の言葉が終わるよりも先に、清川が答える。



「312号室。兄は、そこにいます」

清川はそう言って笑う。


(何故だこいつら、先まではあんな強行手段でアーヤを奪っていこうとしてたのに・・!)

だが、その言葉は胸に仕舞い込む。

そしてKZは、清川らを背にして312号室へと向かった。





「若武?上杉君、黒木君に小塚君・・?」

アーヤは、その部屋の前にいた。

あまりにあっさり過ぎる再会だった。

だが、そんなコトを考える余裕など無く。




「あ、アーヤ・・!」

若武はすぐさまアーヤに寄り添う。


他のメンバーも、心配そうにその隣へよって行く。



「良かった。ずっと心配して・・」


「何で、ここに来たの・・?」


アーヤの瞳には、いつもの元気な笑みは映っていなかった。

29、アーヤ→←27、アーヤ探し



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ナミネ☆ - 危龍さん» ありがとうございます!現在、ISHの出るKZのお話を書いているので、良ければお願いいたします♪ (2017年9月13日 21時) (レス) id: af5c00d0de (このIDを非表示/違反報告)
危龍 - とても面白かったです。    私は、ISHが気に入りました。なので、ISH の出るkzの話を作って欲しいです。お願いします (2017年8月22日 8時) (レス) id: 28aad0d79a (このIDを非表示/違反報告)
まい - 砂原や翼を出してくれるなら4がいいです。 (2017年5月14日 13時) (レス) id: 48d0f73d72 (このIDを非表示/違反報告)
ナミネ☆ - 璃桜さん» コメントありがとうございます!!では、次回作が完結した後、そちらのほうを書かせていただきます、コメントありがとうございました! (2017年5月14日 8時) (レス) id: b0f37939b1 (このIDを非表示/違反報告)
ナミネ☆ - ひまりさん» コメントありがとうございます!!はい、では先に案4ほのぼのKZらいふ!を書かせていただきます、コメントありがとうございました! (2017年5月14日 8時) (レス) id: b0f37939b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナミネ☆ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年12月15日 15時

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