22、策略 ページ22
「ってなワケで、もうこれからは隠し事なしだぞ!!」
そう言う若武の表情は、いつもより嬉しそうだ。
あの後、黒木と若武は和解した。
決して苦渋の判断ではなく、両者共満場一致だ。
そして、このコトについて、あの場にいなかった小塚と上杉に話した。
「そうかぁ・・良かった。これで僕達、隠し事無しだね」
「俺達が、立花を守らなきゃな」
そう言って、2人は笑ってくれた。
確実に、しこりは消えていっている。
そう思うだけで、アーヤは胸のうちが熱い。
「俺達は探偵でもあるけど、何よりチームワークが売りだ」
「必ず、立花は奪わせない」
「ISHの“悪戯”は分かんないけど・・」
「俺達なら、解決できる」
そう言って、KZはアーヤの方を向いた。
アーヤは、元気良く答える。
「ありがとう!皆!!」
***
「KZが仲直りしてるみたいなんだが」
そう言って、藍園は不機嫌そうにスポーツドリンクを口に含む。
「自分的に、黒木さんと若武さんは更に険悪になると思ったんだけどね」
粟木は、そう言って先ほどの光景を思い出す。
KZが、アーヤを守ろうと一致団結していた姿。
正直言うと、ISHにとってそれは意外であった。
「やっぱ、あの場で逃がさない方が良かったかもな」
「確かに。立花さんがいなかったら、あのまますれ違い続けた気がするよ」
「精神的にKZを引き離すなんて、やっぱ無茶じゃねーの?所詮、俺達はサッカーチームだし」
「確かにね」
この計画、失敗するかもしれない。
粟木は、そう言って浜辺を見る。
自分達がKZを狂わせたのは、この浜辺の出来事。
同時に、逆に絆を深めさせたのもこの浜辺の出来事。
「結宗、君的にはどうなの?」
「うん〜僕?」
このときですら、清川は笑みを浮かべたままだ。
「そうだぞ、清川。お前・・本当にこのままで良いのかよ」
「知らないよ〜僕は、所詮リーダーの言うとおり動くだけだし」
「そう言う割には、自由に動きすぎじゃない?」
「そ〜かもね。だって、僕は本当にアーヤちゃん好きなんだもん」
清川は、これまでに何度も独断で行動してきた。
夜の浜辺に行ったのも、黒木に宣戦布告したのも、清川の意思だ。
「リーダーは考えることがえげつないし、到底俺達じゃ敵わない」
「リーダーから直接指示を受けられるの、結宗くらいだよ」
「えぇ・・そうかなぁ?」
「だって・・リーダーは君の兄、“策略の清川”だもん・・」
33人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「探偵チームKZ事件ノート」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナミネ☆ - 危龍さん» ありがとうございます!現在、ISHの出るKZのお話を書いているので、良ければお願いいたします♪ (2017年9月13日 21時) (レス) id: af5c00d0de (このIDを非表示/違反報告)
危龍 - とても面白かったです。 私は、ISHが気に入りました。なので、ISH の出るkzの話を作って欲しいです。お願いします (2017年8月22日 8時) (レス) id: 28aad0d79a (このIDを非表示/違反報告)
まい - 砂原や翼を出してくれるなら4がいいです。 (2017年5月14日 13時) (レス) id: 48d0f73d72 (このIDを非表示/違反報告)
ナミネ☆ - 璃桜さん» コメントありがとうございます!!では、次回作が完結した後、そちらのほうを書かせていただきます、コメントありがとうございました! (2017年5月14日 8時) (レス) id: b0f37939b1 (このIDを非表示/違反報告)
ナミネ☆ - ひまりさん» コメントありがとうございます!!はい、では先に案4ほのぼのKZらいふ!を書かせていただきます、コメントありがとうございました! (2017年5月14日 8時) (レス) id: b0f37939b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ