Epilogue ページ42
あるところに、ひとりの男の子とひとりの女の子が居ました。
そのふたりは、小さい頃は別々な場所で暮らしており、家族からの温かく特別な愛を受けて過ごしていました。
でも、
男の子は10歳の時。
女の子は7歳の時。
家族、友達を失い、故郷を焼き払われ
両親を無慈悲に奪われ、己の手で主を殺め、
この世の全てを信じられなくなってしまいました。
そして、
男の子は“ホワイトモンスター”
女の子は“悪魔”
自分の名前があるのに。
周りの人々は皆、自分の名前を呼んではくれませんでした。
また彼らには、人に知られてはならない名前がありました。
彼らを本当の名で呼ぶ者はこの世に誰一人として居なかったのです。
そんな彼らは心と体が成長すると共に、人の愛の温かさを不器用ながらも感じることが出来るようになってきました。
“愛”という名を持ったよく燃える男
“平和”という名を持った人を見限らない老人
心が壊れたまま大人になる前に、優しい愛を持った人に会えたから。
出会いがあるなら別れもあります。
彼らは愛する人達とは一緒に旅に出ることなく、己の信じる道へ進むために、海に出ました。
そして、今、彼らは辛い過去を乗り越え、ひとつ大きな山を越えました。
また、彼らの想いの点と点は結び合うことができました。
愛の形を人より知らない彼らは、彼らなりの愛を伝え合うことが出来るでしょう。
彼らは“自由”であり、“信じあっている”から。
“信じるもの”は人それぞれ。
あなたの“信じるもの”は何ですか？
𝐹𝑖𝑛.
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作者名：つんてん | 作成日時：2022年11月3日 19時
