【irxs】【青】甘々な彼は、今も＿＿＿です

〜５２〜 ページ32

い「ね、デート」




『ん？』




い「という名の散歩をしようじゃないか」




きゅぴん、というような効果音を立てそうな表情で言われた。


なんだこいつかわいい。




『ちょっと無理』




い「ひどい」




『私今日、百合と飲みに行くんで！エネルギー消費したくないんで！』




い「ぽえ・・・A取られた・・・」




『ばかまろ』




い「ばかA！もぉ〜っ」




頰を膨らませてこちらを睨んでくるいふ。




い「・・・夜にはちゃんと帰って来てな？

・・・俺が言えないけど・・・」




『本当にね』




い「うっ」





そんなバカな会話をしてから、家を出た。





『そろそろ行ってくる〜』




い「行ってらっしゃい・・・の前に」





腕を広げられ、いつもの事なのでさらりと対応する。





『はいはい』




い「ん！ぎゅー！ ・・・帰って来たらキスする」




『アホか』




ちゅ




髪に軽いキスを落とされる。





『・・・ばか。行ってきます』




い「行ってらっしゃ〜いっ」





めっちゃ笑顔で送り出された。






〜〜〜〜〜




『本当馬鹿なんだけど！！ふざけんなあのタラシ！！！』




百合「声デカい。・・・まあ同感だけど」




『ね！あいつやばいよね本当！！』




百合「うん。あの人高校もやばかったじゃんね」




『そうだよ！！』




カンッと音を立てて、飲みかけの缶を机に叩きつけるように置く。




そう。今は絶賛愚痴会中。


ターゲット(？)はもちろん、




百合「いふさんな〜・・・本当タラシだな〜・・・」




『ていうかこないだの雪ちゃんやばかったじゃん！！』




百合「彼女持ちであれは犯罪」




え、やばいよね？？

〔あのぉ〜、いふセンパイってぇ〜、彼女さんと別れる気とかないんですか〜？〕

ってなんだよあれ！



〔そうやね、別れるつもりはないけど・・・彼女はいなくなるかもやなぁ・・・〕


あれの意味が分からない！！



そのことについて相談を聞いてもらっていた。





百合「Aは鈍感か・・・」



『うぅ〜・・・捨てられるぅ・・・』



百合「捨てられたら私が引き取るわAを」




『百合イケメン・・・好き・・・』




百合「はは、私がいふさんに刺されるな」




とかなんやかんやの愚痴を聞いてもらっている。



ちなみに、話に出てきた「雪ちゃん」は、こないだ入ってきた職場の後輩の子だ。




明らかにいふを狙っている。





『めんどくさ・・・』

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