関節キス ページ2
深夜、突然の尿意に目が覚めてしまった。
トイレを出て、寝室へと戻ろうと歩いて行くうちに、段々と眠気が無くなってしまった。
どうしようか…
ベッドへ行ってもしばらくは眠れないと思うし、何か飲み物……
…ホットミルクでも飲もう。
そう思い、寝室へ向かっていた足を回しキッチンへ行った。
冷蔵庫から一昨日買った牛乳を取り出して、適当にコップに入れる。
電子レンジで温まるのをボーッと見ながら、明日の仕事について考えていると、気づけばチン と鳴っていて、息で冷ましながらそれを両手で取った。
火傷をしないように、慎重に一口飲んだ。
喉から胃へ温まっていくのが心地良い。
秋の終わりかけのこの時期はやっぱり温かいものが一番だと感じる。
なんとなくベランダから見える街を座って眺めていると、後ろから足音がした。
『ごめん、起こしちゃった?』
「いや、俺も目ぇ覚めちまって」
「ん、美味そうだな」
頭を掻きながらあくびをしている彼は、ホットミルクの匂いにつられ私に近寄って来た。
『デンジ君も飲む?温まるよ』
デ「へへっ、さんきゅ」
と言ったものの、さっき残り僅かだった牛乳を使い切ってしまったので手に持っているコップを中腰の彼に差し出した。
『まだ熱いかも』
デ「……甘え」
もう丁度良い温度だったらしくゴクっという音が響いた。
体が温まり、無かった眠気が戻ってきたのか、目を細めた彼は私の隣に座った。
デ「俺達、関節キスしちまったな」
机に顎を乗せた彼がにまにまと私を見つめてくる。
確かに気づかなかった……
デンジ君は私と関節キスが出来て嬉しいのだろうか。
きっと私が女の子だから だよね……
『ふふっ、私のファースト関節キス奪っちゃったね』
私もデンジ君を見つめ返してホットミルクを飲んだ。
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作者名:さくれ | 作成日時:2022年12月2日 17時