検索窓
今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:613,901 hit

知らない顔5 ページ16

『…冥さん?』

冥「今くらい五条のことは忘れて、私と楽しく過ごそう。大丈夫、後でちゃんと返すよ。」




心でも読まれたんじゃないかと思うくらい
冥さんの言葉が胸の違和感を霞ませてくれる

今はそれに甘えて、本当に純粋に冥さんとの時間を楽しんだ

今日の任務の話
この間硝子さんと反転術式の勉強をした話
学校での話
お金の素晴らしさについて


冥さんには退屈かもしれない話も快く聞いてくれた
2時間程度の滞在も一瞬で時間は過ぎ
時計の針はもう22時過ぎを指していた





冥「そろそろあの男も焦り始めた頃かな?想像するだけでも実に愉快だね。」

『…どうですかね、家に居るんじゃないかな。』




冥「なぜそう思うんだい?」

『…。今日女の人が来たんです。この後悟と会うから、と言ってました。』




冥「なるほど。だから出てきたんだね。」

『はい。なんか…、今日は悟の顔見たくなかったから…。子どもですよね。親子でも兄妹でもない赤の他人なのに…。自分が図々しくて、恥ずかしいです。』






散々談笑した後だからなのか随分と自分の口が軽くなっている
もやもやして自分でも整理できていなかった感情が
意外にも喋りだすとどんどん言葉になって出てくる

なんだ、私は、あの綺麗な女性に嫉妬してるんだ

どれだけ背伸びしても14歳の少女からは抜け出せない
本来悟の隣にはああいう大人の女性が相応しいのだ

この不思議な関係も私が1人で生きていけるようになるまでの期限付き
勘違いも、自惚れもしてはいけない

こんな心地良さも、幸せも、私が触れていいものではないのだ





『…冥さん、』

冥「なんだい?」





『今日だけ、冥さんの所に行っていいですか?今晩だけ…』

冥「構わないが…、一晩で良いの?何ならずっと居たっていいよ。」






『いえ。我儘ですけど、許されるならもう少し…、悟の所にいたいです。』

冥「…ああ、愛いねぇA。本当に君が欲しくなってきた。」








優しく頭を撫でてくれる冥さんの肩に寄り掛かると
今度は両腕で抱き寄せてくれた

一晩だけ冥さんの優しさに甘えよう

明日からはまた何もなかったように過ごせるように
悟の重荷になってしまわないように

またいつも通りの元の私に戻って貴方の所に帰るから




店を出ると繁華街の賑わう声があちこちで聞こえてくる
夜が耽って街が大人の色に染まるのを感じながら
タクシーに乗り冥さんの自宅に向かった

知らない顔6→←知らない顔4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (532 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1266人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 両面宿儺
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

茉莉 - この作品が好きです。更新、待ってます! (2020年11月22日 22時) (レス) id: a68061a5cd (このIDを非表示/違反報告)
Gettion - え…心臓痛くなるくらい好きです。応援しています! (2020年11月6日 18時) (レス) id: b24edd395c (このIDを非表示/違反報告)
uka8502(プロフ) - 更新停止ですか??ホントに面白すぎてハマりました!一気に見ました!!更新ホントにお願いしますっ! (2020年10月19日 1時) (レス) id: 7913de20e0 (このIDを非表示/違反報告)
AiRIN(プロフ) - いつも楽しく拝見しています!正直、縞さんの作品ならどれも大歓迎ですが、しにたがり姫か好きなので、続編を待ってます! (2020年5月17日 13時) (レス) id: 931e2c7403 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年4月3日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。