知らない顔２ ページ13
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「ちょっとあなた、お待ちなさいな。」
『…こんにちは。』
あまり見たことがない女性だが同じマンションの住民という
可能性もあるのでとりあえず挨拶はする
大きくスリットの入った黒いドレスに
綺麗なウェーブの赤く長い髪
開いた胸元と歩くたびに覗く長い足
冥冥さんとも少し似た雰囲気だが
どことなく近寄りがたく、高圧的な人だ
「もしかして、この部屋の住人なの？」
指差されたのは確かに自分の部屋の宅配ボックス
『そうです。何かご用ですか？』
問いに答えた瞬間
女性の真っ赤な唇は歪み視線はあからさまに不快感を孕む
見た目からも微かに感じる呪力からも
この人が呪術師、またはその関係者であることは察せる
ならば悟に用事があったのだろうか
『五条さんなら仕事で不在です。高専に行…』
「あなたが例の、悟が引き取った― 忌み子 ―なのね。」
―
自分を揶揄する呼び方がいくつかあるのは知っているが
そう呼ばれていることは初耳だった
呪いの王の血を継ぐ子だ
呪術師からすればまさに忌むべき子供なのだろう
しかしその手の扱いは嫌というほどあの屋敷で受けてきた
今さら見知らぬ女性にそう呼ばれた所で大して気に触れるものではない
『…高専に行ってみてください。失礼します。』
これ以上面倒なことになる前にこの場を去ろうと
カードキーを入り口にかざし足早に中に入ろうとする
しかし女性は立ち去るどころか
エレベーターの前で肩を掴まれかなり強引に振り向かされる
長い爪が首に掠り熱を帯びる
近くにあった鏡を見ると微かに血が滲み数�冂�の赤い線が入っていた
「中で待つわ。」
『…困ります。私は家主じゃないので勝手に中に入れるわけには…、』
「悟なら許可はとってあるわ。グズグズしないで忌み子が。」
話を遮るのがこの人の常なのだろうか、
それとも私の話を耳に入れるのが不快なのか、
どちらでもいいが本当にこの人を中に入れていいのか分からない
確認を取ろうにも悟は仕事中
名前で呼び合う関係なら彼女の言葉も本当なのかもしれない
だが何より毎秒苛立ちを募らせているこの女性
これ以上待たせればその鋭い爪でさらに八つ裂きにされそうだ
『…分かりました。』
後で悟に怒られるより今この女性に暴れられる方が厄介そう
もう半ば考えるのも面倒になってきて共にエレベーターに乗り
丁重に部屋まで案内した
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茉莉 - この作品が好きです。更新、待ってます！ (2020年11月22日 22時) (
レス) id: a68061a5cd (このIDを非表示/違反報告)
Gettion - え…心臓痛くなるくらい好きです。応援しています！ (2020年11月6日 18時) (レス) id: b24edd395c (このIDを非表示/違反報告)
uka8502(プロフ) - 更新停止ですか??ホントに面白すぎてハマりました！一気に見ました!!更新ホントにお願いしますっ！ (2020年10月19日 1時) (レス) id: 7913de20e0 (このIDを非表示/違反報告)
AiRIN(プロフ) - いつも楽しく拝見しています！正直、縞さんの作品ならどれも大歓迎ですが、しにたがり姫か好きなので、続編を待ってます！ (2020年5月17日 13時) (レス) id: 931e2c7403 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：縞 | 作成日時：2020年4月3日 2時
