しにたがり姫 2

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悟「確かに僕は女の子からよく好かれる。何でか分かる？」


『…強くて、かっこいい…から？』







悟「そう。おまけに五条家の生まれでお金も持ってる。だから女の子に気に入られようなんて考えたことも、したこともない。勝手に来てくれるから。いい？」


『…はい。』






一体何を教えようとしているのか分からず
頷くことしかできない







悟「じゃあ思い出してみてよ。僕がAに今までどんなふうに接してきたか。何よりも大切に、何よりも優先してる。どうすれば君が笑って喜んでくれるかばっかり考えてるし、君が何にも目移りできないように馬鹿みたいに必死になってる。」





顔の横に置かれていた手がいじらしく耳を撫でる

低くて甘い声も相まって


もう何も考えられない







悟「Aが欲しくて堪らないからだよ。」

『…ｯ、…』



悟「もう僕の事でいっぱいで、めちゃくちゃになれば良い。」






『っん…』







水滴の落ちる音と水の揺れる音が浴室に響く




噎せ返りそうなくらい甘くて深い

弄られた耳と腰のあたりがジンジンする









『…、さ…とる』



悟「こんなに愛してるのに、1人で置いてくつもり？」






名残惜しそうに離れた悟の顔は
どことなく悲しそうで胸が痛くなる









『…ごめん、』



悟「僕にも、Aの痕付けてよ。消えないくらい強いの、」







辛そうで、苦しそう、

こんな顔をする人だったんだ



私の両手を拘束していた大きな悟の右手を掴み
手首のところに自分がされたように強く歯を立てる



1日でも長く残るように

悟の中にもっと深く私が刻まれるように








悟「…なんでそこなの？」



『一番よく見えるかなって…』








悟「…じゃあ僕も。」






同じように私の手首にも2つ目の痕が残される







悟「おそろいだね。」


『ほんとだ。』









笑い合って抱き締め合い

もう一度口づけをする








これからのことは分からないけれど



今は悟のことしか考えられない








もうとっくに頭の中は貴方でめちゃくちゃで




貴方が望むのなら

もう呪われてもいいくらい

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