Cheri【アイナナ】 (ページ47)

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第45話ページ47

カーテンの隙間から差し込む光で目がさめる

いつもとは違う見慣れない天井が目に入り、一瞬自分がどこにいるのか寝起きの寝惚けた頭で理解が遅れた。

まどろみの中で霞んでいた目も徐々にはっきりとしてくる

「…ああ、そっか、自分家じゃないんだよね。なんだか違和感がすごい…」

私はベッドから起き上がるとグイッと伸びをした後、万里さんと一緒に買いに行った洋服に袖を通した。

「よし、大丈夫かな？」

部屋にあった全身鏡で身なりを確認し、少し寝癖がついてしまった髪の毛を手櫛で整えた。

私は部屋のドアに手を掛け、ドアを開けると1階へと向かった

もうすでに誰か起きているのか、リビングから心地よい包丁のトントンという音が密かに聞こえる。

それにほのかに鼻をかすめる朝ご飯のいい匂いだ。

リビングのドアを開けると、そこにはエプロンをつけキッチンに立つ三月さんがいた。

「おはようございます、三月さん。」

私は三月さんに声をかける。

すると三月さんはこちらに気づき目をやった。

三「おお、悠人おはよ。起きるの早かったな。」

「そうですかね？三月さんご飯作るの手伝います！」

三「いいのか？ありがとな。じゃあ、味噌汁作ってもらってもいいか？」

「はい、分かりました！」

私は昨日と同じように三月さんの隣へと立つ。

さて、作ろうかな！と意気込んで腕まくりをすると、三月さんから視線を感じた。

「どうかしましたか？」

三「いや、細い腕してんなぁと思って。」

そう言いながら私の腕を触る三月さん。

突然の行動にドキッとしてしまう。

「えっ？！そ、そうですかね！？男なのに筋肉なかなかつかないんですよね…」

それっぽく返してみるものの、ドキドキしすぎて思わず乾いた笑いが口から漏れる。

三「背もオレより低いし、なんか男にしちゃ柔らかいし…女みたいだな…」

その発言に今度は違う意味でドキッとする。

いや、え？！バレた？！なんてひとりで焦っていると

三「なーんてな！オレも背低いし、筋肉そこまでついてるわけじゃねーから人のこと言えないし。冗談だよ！」

ハハッと笑いながら言う三月さん。

…びっくりしたあ！！バレたかと思った…

あう…心臓に悪すぎる…

三月さんは特に気に留める様子もなく、料理をする手を動かし始めた。

私もそれに流されるように手を動かした。