Cheri【アイナナ】 (ページ11)

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第9話ページ11

音「それじゃあ、早速だけど男の子の格好に着替えてきてもらおうかな？
万理くん達が帰ってくる少し前に紡くんから電話きてね、もうみんな仕事が終わって事務所に向かってるらしいから。」

万「では俺が更衣室まで案内しますね。」

音「うん、お願いするよ。着替えが終わったらまた社長室に戻ってきてね。」

社長室を出ると私は万理さんに更衣室へと案内された

万「ここが更衣室になるから、着替えてきてもらっていいかな？
誰も入ってこないように俺は外で見張っているよ。」

「はい、お願いします。」

万理さんのお言葉に甘え、私は一人で洋服を持って更衣室へと入った

胸はもちろん潰して、着替えを済まし、目の前にある全身鏡を見てみる

髪の毛も短くなって、洋服もメンズもの

なんだか不思議な感じがする。本当に男の子になったみたいだ。

「うまくやっていけるかな…みんな仲良くしてくれるかな？」

一人になった途端言い表せないような不安が私の心の中を渦巻く

でも、やるって言ってしまったんだ、やるしかないんだ。

なんとでもなる、どうとでもなる、頑張ろう、頑張るしかないんだから。

自分自身を鼓舞するように、言い聞かせてその足で万理さんがいるドアの方に向かった

「万理さん、お待たせしました。」

万「ん？ああ、お帰り…」

万理さんはそう言って私の方に目をやると少し止まり、すぐに目をそらしてしまった。

「えーっと、万理さん？どこかおかしいでしょうか？」

どこかおかしかったのだろうか？それとも目も向けられないほどのブス？！

万「あー！えっと違うんだ！男の子の格好するだけだこうも変わるんだなぁって思ったらビックリしちゃってね。」

「なんだ…良かったです。変じゃないですか？」

万「うん、変じゃないよ。可愛い系の男の子って感じだね。」

「へへ…ありがとうございます！」

私は嬉しくなってしまって顔のニヤケが止まらなかった

今の私とってもだらしない顔してるんだろうなぁ

万(男装してきた君も可愛くて見惚れてしまったから、言葉が出なかったんだなんて言ったら君はどんな顔するのかな？)

そんな事を万理さんが考えているなどつゆ知らず、私はニヤける顔を抑えるのに精一杯だった。