花の伝えていた愛【ジョルノ】★ ページ26
彼が、会えるのは今夜が最後かもしれない、と深刻そうな顔で私の家にやってきた
私は何が何だか分かっていなかったので
「ジョルノ、また会えるよね…」
と言ってしまった
ふ、と眉を下げて笑った彼の顔がずっと忘れられない
それから約二週間が経った
あの日、彼が魔法のようにいつの間にか手に握っていた数本の花を活けている花瓶を見つめて毎日を過ごしていた
花言葉は何なのかな…いつか調べようと思うも、不安で怖くて調べられないのだ
ある日誰かが私の家を訪ねてきた。郵便配達だろうか、そう思い扉を開けると、息が詰まるような感覚を覚えた
夢にまで見た愛しいあの人が立っているからだ
「…っ、ジョルノっ!」
飛びつくように彼に抱きつく。彼の首に腕を回し、胸辺りに頭を押し付ける。何故か涙が出てきた
「ジョルノの、ばか、バカ!!何も言わずに、居なくなるなんて、っ、バカ!」
「すみません、A…」
彼の少しだけ逞しくなった腕が私の背中に回り、そしてぎゅ、と抱いてくれる。久しぶりの温かさと懐かしい匂いにまた涙が溢れそうだった
しばらくそうしていると、ジョルノが口を開いた
「ねえ、A。まだこんな僕と一緒に居たいって思ってくれてますか?」
泣き腫らした顔を上げて、彼を見ると、前より随分と引き締まった、少し大人びている顔つきをしていた
「うん、そりゃもちろん。貴方と一緒にいる事が私の幸せだもの」
「…命を狙われても?」
「へっちゃらよ。あなたが居てくれるなら」
それこそ命なんて惜しくないかも、と付け足すと、流石にそれは僕が許さない、と言った
「…じゃあ、僕と一緒に来てくれますか?」
じっと顔を見つめられる。生半可な覚悟では、きっとこの先やっていけないと思う。だが私は彼と居られるなら宇宙の果てだろうが海の底だろうが何処にでも行けるような気がするし、なんでも出来そうな気もするのだ
「喜んで」
そう言うと、彼は私を抱いて、震える声でありがとう、と呟いた。何だかそれが可愛くて、ふふ、と笑うと彼も少しだけ口元を緩めた
「花言葉、調べてくれました?」
その後、大きくて高級そうな車に乗せられ、彼の隣に座るとそう聞かれた
「ごめんね、怖くて調べてないの」
そう言うと、ジョルノは笑って私の耳に口を近づけて囁いた
「ブーゲンビリアの花言葉は、
あなたしか見えない」
その言葉に一気に顔が熱くなる。そんな私を見てジョルノはまた笑ったのだった
私にだけ優しい彼【ナランチャ】★→←自己選択【ワムウ・カーズ】★
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たつみ(プロフ) - 海月さん» いえいえ、私もサーレー好きなのでリクエスト貰えて嬉しいです、ありがとうございます!海月様の思っていたものと違っていないかどうか不安でしたが、ご期待に添えられたようなら良かったです<(_ _)>また機会があればよろしくお願い致します! (2021年6月4日 13時) (レス) id: 1c25c6a3e1 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - リクエストにお応えしていただきありがとうございました。今回もとても素晴らしいお話でした。サーレーの夢小説を書いてくれる人は少ないので助かっています。本当にありがとうございました。 (2021年6月4日 7時) (レス) id: fb1aebaa24 (このIDを非表示/違反報告)
たつみ(プロフ) - 海月さん» 了解です!遅くなってすみません(>_<;)出来上がった話に問題点があったら遠慮なく仰ってください!少々お時間頂きます<(_ _)> (2021年6月4日 0時) (レス) id: 1c25c6a3e1 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - リクエスト失礼します。サーレーの夢をお願いします。病んでいる感じで書いてくれたら嬉しいです。よろしくお願いします。 (2021年6月1日 22時) (レス) id: fb1aebaa24 (このIDを非表示/違反報告)
たつみ(プロフ) - モモまんじゅうさん» 了解です!ありがとうございますm(*_ _)m完成したものに何か気に入らない点などがありましたら、遠慮なく仰ってください! (2021年5月28日 21時) (レス) id: 1c25c6a3e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ペンシル x他1人 | 作者ホームページ:http://uranaimonsuto
作成日時:2018年12月30日 17時