嘘も建前も本音だった【DIO】★ ページ13
「DIO様…」
「…屋敷に戻れ」
荷物も持たず屋敷を出ようとした
なぜなら、DIO様に騙されていると思ったからだ
愛されてるのは私だけだと思っていた。だがそれは幻想だった。ある筈なんて無い。私みたいな女は使い勝手が良いから、手元に置いていただけなのだ、と
理解してしまった
「いくらDIO様と言えども、その願いは聞き入れられません」
「…何だと」
彼が眼光だけで人を殺せそうな鋭い目で睨む。体が強張り、恐怖で足が竦む。だがここで負けてはいられない、と思った
「DIO様。お慕いしておりました…。でも今は、そんな気など持っておりません」
怒りからか握りこぶしを震わせている。隙を見せたら殺されるかもしれない、という思いを押し殺し、自分を奮い立たせる
「今までありがとうございました。もう二度と会うことは無いでしょう」
最後に精一杯の笑顔を見せた。黙ったままのDIO様は、大きく舌打ちをして、ずかずかと私に歩みよってくる
「…女一人逃したところで何も思う事などないのだがな」
「ええ、存じております」
いつもの落ち着いた口調と違い、荒々しくなる。声音から、怒りの感情を読み取ることが出来た。空気が冷えていく
「…だが、お前を失うことを考えると、無性に腹が立って仕方が無いのだ」
予想もしていなかった展開に、私は驚く。ただ、私は今まで騙されていたのだから、これも嘘であるはずだ、と考え直した
「信じない、という目をしているな…。だがな、このDIOは、お前に嘘をついたことなど一度も無いのだぞ」
「…え?」
これも嘘だ。そう思っていると、DIO様が急に私を抱き締めた。彼の匂いに包まれて、一瞬思考が停止する
「何故なのだ…!わたしはお前を愛しているというのに…それすらも信じないというのか…!」
彼の腕に力がこもって苦しい。咄嗟に取った反応は、彼の腕から脱出するために、彼の胸板を押すことだった
「…。このDIOを拒絶するというのか」
「…! 決して、そのようなつもりは…!」
哀しそうな瞳で射られ、自分の決意とは正反対の言葉が出た。今、私の覚悟は揺らいでいる
「だったら、わたしのもとへ戻っておいで…
Aを手放すなんて、もう考えられないんだ…」
名前を呼んだ。呼ばれたことなんてなかった。覚えててくれたんだ
「…っ!DIO様!」
居ても立ってもいられず、彼の元へ駆け寄った。もう、後戻りはできない。DIO様は優しい笑みを浮かべて、優しく私を抱きしめた
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たつみ(プロフ) - 海月さん» いえいえ、私もサーレー好きなのでリクエスト貰えて嬉しいです、ありがとうございます!海月様の思っていたものと違っていないかどうか不安でしたが、ご期待に添えられたようなら良かったです<(_ _)>また機会があればよろしくお願い致します! (2021年6月4日 13時) (レス) id: 1c25c6a3e1 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - リクエストにお応えしていただきありがとうございました。今回もとても素晴らしいお話でした。サーレーの夢小説を書いてくれる人は少ないので助かっています。本当にありがとうございました。 (2021年6月4日 7時) (レス) id: fb1aebaa24 (このIDを非表示/違反報告)
たつみ(プロフ) - 海月さん» 了解です!遅くなってすみません(>_<;)出来上がった話に問題点があったら遠慮なく仰ってください!少々お時間頂きます<(_ _)> (2021年6月4日 0時) (レス) id: 1c25c6a3e1 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - リクエスト失礼します。サーレーの夢をお願いします。病んでいる感じで書いてくれたら嬉しいです。よろしくお願いします。 (2021年6月1日 22時) (レス) id: fb1aebaa24 (このIDを非表示/違反報告)
たつみ(プロフ) - モモまんじゅうさん» 了解です!ありがとうございますm(*_ _)m完成したものに何か気に入らない点などがありましたら、遠慮なく仰ってください! (2021年5月28日 21時) (レス) id: 1c25c6a3e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ペンシル x他1人 | 作者ホームページ:http://uranaimonsuto
作成日時:2018年12月30日 17時