その43 ページ44
嵐「そうなのね。」
A「そんな感じです。今のアパートはそのままにして、新しい家具は買い直す、と」
嵐「返礼祭も近づいているのにママは大変ねえ」
後日、嵐と一緒にお茶をしながら、現状報告をしていた。スイーツが今日も美味しい。
嵐「ところで、お姉ちゃんになにか報告することはない?」
A「???」
嵐「ちょっとやだあ!!嘘でしょ!?そんな関係になってないの!?」
A「...それは、だめだよ。嵐ちゃん。」
フォークをおいて、一呼吸おくA。嵐のいう<そんな関係>になれない理由があったのだった。
A「三毛縞さんは、<アイドル>で私は<プロデューサー>だから、その一線は、越えられないんだよ」
自分は<そういう関係>になるために<プロデューサー>になったわけではない。<アイドル>としての彼らを育てる影の裏方として、輝かせるための存在であって、絶対。そんな私情を持ち込んではいけない。
嵐「あら、Aちゃんも<アイドル>じゃない。」
A「いいえ、三毛縞さん達が卒業したら<Life>は凍結します。来年になれば、私以外の子達がプロデューサー科にどんどん配属になるでしょう。そうなったら、私は先輩として、お手本にならなくちゃいけないんです。」
嵐「そう...。でも、私はそんなの蹴りとばしちゃうけど?いいじゃない。プロデューサーであってもこの学校の生徒であっても、あなたは<女の子>なのよ?一人の<女の子>として、恋をすることは許されるのよ」
A「うーん...。けど、そういうことは、わからないから..」
嵐「もーー!Aちゃんの意気地無しー」
A「..えへへ」
と困ったように笑ってみせるA。彼らのアプローチに気づいていないわけではない。けど、やっぱり、その一線を越えるのはいけない気がしたので、その感情には一生蓋をすることにしたのだった。
嵐「あら、いけない。そろそろ私いかなくちゃ。またね♪Aちゃん」
嵐とわかれたAは、残りのケーキを食べてしまおうとフォークを突っつくが、視線を感じてうしろを振り替えると、三毛縞さんがいた。こわいな。うしろからみてたなんて。
斑「Aさーん?探したぞお、食後のデザート中だったかあ。はい、あーん♪」
A「三毛縞さん、なんでここに?(あーん)」
斑「いやあ、昨日のAさんのことを考えたら、一人にさせづらくなってしまってなあ♪探してたんだぞお☆」
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作者名:Luna | 作成日時:2022年3月16日 20時