その37 ページ38
陣「こんな靴履いて、踊ってたらこんな怪我になるわなあ。」
薫「ほんとだよね。こんな趣味の悪い靴。Aちゃんには似合わないよ。しかも、ほんとにびっくりしたからね!?横でAちゃんこけるんだもん。」
A「モウシワケ..。」
自分だってびっくりした。足元が暗いから気を付けていたつもりだった。その慢心、が招いた結果なのだろうか。佐賀美先生はある程度の手当てをしてくれたので少しは痛みが引いた。
陣「さて、俺は後始末があるから、ここを出るけど。Aは三毛縞が迎えにくるんだろう?」
A「多分..さっき、連絡したのでくるかと。」
陣「そうか、ま。とにかく、おつかれさん。それじゃあ、お大事に」
薫「俺も、もう少しAちゃんといたんだけど、零さんに呼ばれてるからいかなくちゃ。じゃあね、Aちゃん」
と薫はAの頭を撫でて、退室した。衣装はとりあえず洗ってクリーニングに出して、専用の衣装の保管庫に返すことになった。少し、ぼけーっとしていると三毛縞が入ってきた。
斑「Aさああああん!!!ママだよおおお!!」
A「....どうも」
斑「あちゃー、これは派手にやったなあ」
包帯とテープで固定された足をみて、三毛縞は言う。中のシャツとかスカートはそのままにしてジャージを着たA。そして、いつものように抱っこされて、下校する。
斑「なるほど、だから練習のときと待機のポーズが違ったのか。さすが、薫さん☆」
A「お嫁に、いけません」
斑「ははは、大丈夫だぞお!Aさんは別嬪さんだから、すぐにいい人が現れると思うぞお☆」
A「だと、いいんですがね..。」
と他人事のように話しているが、Aはこの人がいる限りは無理だろうと思っている。練習中にみたこの人の顔。あれは、英智さんのような顔をしていたのを覚えている。この人は油断すると、裏の顔を出すのを、知っている。そして、たまにする昔の話しも、全部が全部本当の記憶ではないのだと、うすうす気づいては、いた。
だから、かまをかけた。もちろん、本当の話しだ。嘘ではない。うっすらとだが彼のことを思い出した。それだけ。そして私は、所詮は<おままごと>の<玩具>でしかないのかもと思うがそれでいいじゃないかと思っている自分は、嵐ちゃんの言うとおり。
三毛縞さんに<毒されている>のだろう。
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作者名:Luna | 作成日時:2022年3月16日 20時