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その33 ページ34

紅朗がAの履いている靴をまじまじとみると、爪先の部分が厚く、踵は細長い。しかも、ほぼ爪先で立つ状態になる靴だった。

宗「待ちたまえ!!野蛮人!!まだ、修正は終わってないのだよ!!」

と後から、宗がばたばたと走ってやってきた。さらにその後ろから、マドモアゼルを抱えたみかがやってきた。すごく息を切らして。

みか「お師さーーん、走るのはやすぎやしませんか?いつもこのくらいのはやさで体育とかでてくださいよお」

宗「ノン!!運動なんて汗くさいことは僕はしないのだよ!! それよりも!!三毛縞斑!僕の最高傑作を返したまえ!!」

斑「呵呵大笑!!いやあー、つい可愛くて誘拐してしまったなあ☆しかし、宗さん。この靴はこの仕組みであってるのか?Aさんが生まれたての小鹿のようになっていたのをみたんだが」

紅朗「やっぱりか。斎宮。これじゃあ、嬢ちゃんがうまく踊れねえ。せめて、もう少し底を低くしてやらねえと」

宗「ノン!!駄目!!小娘は身長が小さくて、せっかくのパフォーマンスが小さく見えてしまう!!ならば、大きく魅せるためにはその靴の高さとぶ厚さは必要不可欠!!!靴は、履かれるのではなく、履くものなのだよ!!まともにあるけるように、練習したまえ!!」

三毛縞はそっとAを地面に下ろそうとすると、Aは地面との距離が靴の厚さのせいでわからず、手探りならぬ足探りで、両足を地面につける。

A「...。(ぷるぷる)」

宗「背筋は伸ばす!!一歩ずつ、歩くのだ!!新たな肉体を手に入れたマリオネットよ!!!」

みか「まーた、はじまってしもうた...」

A「...こわい」

斑「Aさーん!ほらほら、こっちだよおお?ママのところまで、おいでー☆ほら、あんよが上手!あんよが上手!!」

本当に生まれたての小鹿のような歩き方だなあと思ったこの場にいる人たち。薫に関しては、その様子が可愛いの面白いだので録画を始めた。

宗「小娘!引きずるようにしてあるくんじゃない!!」

みか「Aはん!がんばりやー」

A「うう、きつい。」

斑「はいはい!こっちだぞお、ママがぎゅってしてやろうなあ」

A「...ふん!!」

薫「ぶっ!?w 「ふん!」って、可愛すぎるww」

このままでは、ただのお遊びになってしまうと思ったAは一旦止まり、イメージした。モデルのファッショーを。そして、背筋を伸ばし、視線もまっすぐ。そして、一歩一歩歩いて魅せたのだ。

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作者名:Luna | 作成日時:2022年3月16日 20時

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