その30 ページ31
英智「やあ、Aちゃん。おや、今日は保護者がいないんだね?」
A「そう、ですね..。それで、なんでしょうか?」
英智「うん。覚えているかな?君との契約。<MaM>の件をどうにかするために君を<期間限定>で<Life>として、活躍してもらったけど。その期間はまだ、有効だよね?」
A「だけど、<Life>は、もうあのステージで死にました。一度消えた<命>は二度とはもどってきません。」
英智「そうだね。けど、<死霊達>のちからを借りれば、君の<命>は<延命>出来るよね?」
A「...。」
英智の顔をまっすぐ見るA。<死霊>、<命>、<延命>。意味ありげな言葉を並べてくる。やはり、この人はちょっと苦手だ。ここの学園に転校してきて、一目みたときから苦手意識、というもの?があった。けど、今ならはっきり言える。この人、苦手。
英智「<UNDEAD>のライブが近々、行われるのは知ってるよね?」
A「...一応」
英智「ぼくは、君の開花した才能を野放しにするほど、優しくはないよ。それに、君の中では、<Life>はあそこで死んだといっていたけど、それはこの皇帝である僕が許さないんだ」
A「...断ったら?どうしますか?三毛縞さんの言うとおり、暴君として、その権力を、振るいますか?」
英智「それもいい、けど。もし、断るのなら、<UNDEAD>のライブは中止かな。」
A「??...私がいなくても、彼らがいれば、問題はないですよね」
英智は一枚の企画書をAに見えるように見せた。そこには、<Life>と<UNDEAD>による、臨時ユニット、<Ghost>の結成によるライブ企画の内容が書かれていた。
A「<Ghost>...」
英智「そう。ユニットのメンバーは薫くんと零くん、そして君の三人で結成されている。ここには、君の<命>が不可欠なんだよ。...わかるね?」
つまりは、拒否権はない。ということだ。こんなとき表情筋が死んでいなかったら、ものすごく怒っているだろうが、軽蔑する目はできる。思えば、本当に軽率な判断だったなと少し後悔している。英智に二つ返事で、答えた後、さっきの噴水にもどると、何事もなかったように噴水の近くに奏汰と三毛縞がいた。
深海「Aさん!」
斑「! Aさああん!!」
三毛縞はとりあえず無事に帰ってきたAにダッシュで駆け寄り、視線を合わせ、体のあちこちをチェックし、安堵のため息を吐いた。
斑「よかったあ..」
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作者名:Luna | 作成日時:2022年3月16日 20時