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その23 ページ24

そして、ドリフェス当日。今日は待ちに待った。<Life>の最初で最後のライブ。今になって緊張してきた。衣装に着替えて、ステージの裏の近くで敬人さんと待機する。

敬人「A。緊張しているのか」

A「か、かなり...」

敬人「大丈夫だ。最初は誰でも緊張はする。けど、お前は最初で最後のステージだったな。」

A「ひえ...」

衣更「A大丈夫だ。ほら、俺が手を握っててや、って冷たっ!!?」

A「ごごごごごごごめん、なさい。緊張で、体温がさがって」

敬人「い、いかん!!衣更!!Aをあたためろ!!(汗)」

出番まで、衣更と敬人が通常の体温に戻してもらった。肩とか、手とかナデナデしてもらったおかげである。ありがとう、おかん二人。

葵兄弟「「それではどうぞ!!我ら、夢ノ咲学園の女神!!Aさん!!普段は僕らアイドルのプロデューサー。しかし、期間限定でソロユニットとして舞台に立ちます!その名も<Life>〜!!」

A「いってきます、おかん」

衣更「い、いってらっしゃい?」

Aは拍手喝采の中、ステージにあがる。お辞儀をして、最初の一曲をさっそく歌いだす。最初は知る人は知る<心という名の不可解>。

A「♪〜♪〜」

歌いだしは良好。サビもすこし表情を意識して心を込めて歌えた。そうだ、今は私はアイドルだ。届けろ、伝えろ、歌で。

A「♪〜」

会場がじみに広いからか、声がよく響く。気持ちいい。もっと、もっと。響け、響かせろ。

A「♪〜!!!」

一曲目を歌いきると拍手喝采。そして、すぐ次に。次は<名前のない怪物>。こちらも歌いだしはいい感じだった。みろ、私を目をそらすな。まばたきも許さない。

A「♪ー♪♪〜」

私は望まれない存在かもしれない。プロデューサーであり、<アイドル>としてこの世界はいきられないかもしれない。けど。一瞬でも、<私>を思い出してくれるように、歌おう。私は。

A「<名前のない怪物>♪」

三曲目、こちらはちょっと暗め。<季節は次々死んでいく>。さて、こちらはかなり苦戦した。そして、ここでかなり疲れてきた。一曲目でちょっとあげすぎたかもしれない。でも、歌う。

A「♪ー」

ああ、彼らはただここにたって歌って踊っていたわけではないことに、改めて実感する。このまま、<アイドル>になるのもいいかもと思った。けど、ダメだ。この思いはここに、置いていこう。

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作者名:Luna | 作成日時:2022年3月16日 20時

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