ピアノ57 ページ13
万理と別れれば、行きつけのセイレーンが描かれた緑を基調としたロゴが印象的なカフェへと向かう。
窓際の少し奥まったカウンター席につけば、カバンを置き席を取る。
ここが松雪の定位置であり、なんでも狭くて落ち着くらしい。
仕事用の某アップル社のパッドをだせば、コトっとパッドの横にキャラメルラテを置かれる。
「(こ、これ、私がいつも頼んでるやつ…！)」
驚いてパッと顔をあげれば白銀の瞳と目が合う。
「が、がっｋ…うぐっ」
相手の名前を思わず呼びそうになれば口元にあてられる人差し指。
しーっと囁く彼はさすが抱かれたい男ナンバーワン。
色気ハンパない、と内心思う松雪なのだった。
楽「隣いいか？」
「ど、どうぞ」
楽「そう固くなるなって；たまたま見かけたからよ」
「あっ、あのチーズケーキありがとう！さっきいただいたよ」
楽「ああ。埋め合わせだから気にするなって」
ラテを手にすれば口元に運ぶ楽。
おかしいよ、コーヒー飲んでるだけで色気でるってどういうことなんでしょうか。真顔
「変装してるんだ？」
楽「まあな、Aはしないんだな。バレねぇの？」
「うん、不思議と？」
※バレてます。
楽「そうか。」
視線を落とせば、王様プリンや自作のきなこシールで綺麗にデコられたパッドが目に映る。
楽「それ、仕事用のパッドだよな？」
「ん？あー、そうそう、新しい仕事のことでね。ちょっとコーヒでも飲みながらゆっくり考えようかなって」
楽「作曲の仕事か？」
「ううん、今回は雑誌のお仕事。相手の人がわからないのに相手の服を選ばなくちゃいけなくて；」
楽「なんだそりゃ。でも、おもしろそうじゃん」
「それは、おしゃれさんだからそう思うんだよー、私、こういうのとは無縁だよ？」
楽「そうか？ふつうに今日の服もかわいいと思うけど」
「さらっと口説くのやめてもらってもいいでしょうか」
楽「その緊張すると敬語になる癖まだあるんだな、はいはい、悪かった」
楽と松雪は年齢の差はあれどたかが一年の差であり、友人のような仲であった。
さっぱりしところと、言うべきところではっきり物が言えるところなど
二人には実に共通点があり、気の置けない仲なのだ。
「それに、私今までなんていうかソロ？で活動してたものだし…、同業の人と話すのってなんだか緊張する…」
楽「大丈夫だろ」
「はぁ…がっくんなら気が楽なんだけどなぁ」
頬杖をつけば遠くを見据える松雪なのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 181人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
湊(プロフ) - りんさん» お返事が遅くなってしまい申し訳ありません(´；ω；`)最終章では、天ちゃんとの絡みが増えるかと思います。是非、天と百、二人を応援していただければと思います。ももちゃんもめっちゃ頑張る予定なんで。笑 コメントありがとうございました！ (2017年10月8日 10時) (
レス) id: cf888fb209 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - こんにちは。忙しい中素敵なお話を書いて下さってありがとうございます！通知を受け取る時からドキドキしてます(笑）天ちゃんと百くんのライバル関係ハラハラする展開がありとても良かったです。百くん頑張れ！って心の中で応援しちゃいます！また続き楽しみにしてます (2017年10月7日 17時) (レス) id: 582f0542f6 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - りんさん» こんばんは！はい、覚えてますとも！(｀・ω・´)楽しみにしていただいてるんですね、ありがたいです( ;∀;)わかりますっ、学生時代にいろいろ伝説作ってる思うんですよー。笑 思いつく限りは更新していくと思うので！よろしくお願いします！ (2017年10月4日 23時) (レス) id: cf888fb209 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - こんばんは！早速読ませて頂きました。前回のコメントで私のことを覚えていて下さって嬉しかったです！最初からずっとにやけっぱなしでキュンキュンしながら読むのが最近の楽しみです。学生時代の甘酸っぱい思い出がまたいいですよねー！また続き楽しみにしてます(*^^)v (2017年10月4日 20時) (レス) id: 582f0542f6 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - Rennさん» さっそく読んでいただき嬉しいです(*´ω`*)かわいいって言ってもらえるのが最高のほめ言葉です。笑 これからも、よろしお願いします(*´ω`*) (2017年10月3日 19時) (レス) id: cf888fb209 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
