71：金星の女神 ページ27
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粘土板について問うと、どこか渋った様子を見せる御仁であったがどうやら傍立つサーヴァントの凄味にやられたようで。
地上に帰す際に、持たせてくれるとのこと。
ここが冥界ともなれば、間違いなくクタの都市神である"彼女"に会うことが叶うかと思った樹であったが、果たして彼女は覚えているのだろうか。
かつて旅したあの日々を。
兄との道行きを。
そんな思いを馳せるのも束の間、気づけば意識を手放し再び目を覚ませば地上というなんとも不思議な体験をすることになる。
「漸く起きたか、樹」
「ギル？…頭痛い…。そっか、戻ってきたのか」
「初めての冥界下りを終えてなにか感想があれば聞くが」
「感想よりも翁への怒りのが上回ってなにも感じずに終わったわ」
言葉を交わしていればどうやら藤丸も目を覚ましたらしく、遠くでマシュの声が聴こえる。
か細く、涙で枯れたその声色は真剣にマスターを心配してでのこと。
そんな彼等の関係を目にすれば、あたたかな視線をむけてしまうのは必然だろう。
「あの二人、良いよな。二人の道行きが…」
「ん、」
「なんでもない。やっぱりやめておく」
口を噤めば、ふっと笑うギルガメッシュ。
そんな最中、聞き覚えのある通信音と共に、初めて耳にする声。
警告ともいえるその言葉の発信源はどうやら。
「藤丸くん！巨大な魔力反応が接近している！聞こえるかぃ？！」
「え、ドクター？」
「先輩、下がってください！」
神代の魔力にやられ、故障していた通信機器は息を吹き返し彼等のパスが繋がる。
そんな幸運も束の間、空より降り注ぐ黄金の光を目にすればマスターの前へと飛び出し、盾を構える少女が瞳に映る。
「あら、なかなかやるじゃない。だけど、女神のオフを探ろうとしたのだから。これ程度で済むとは思ってないわよね。そのお宝、頂戴するわ」
空より現れる女神。
金星を司るウルクの都市神は、自慢の美しい漆黒をたなびかせ堂々とした面持ちで見据える。
「イシュタル！待ってくれ、俺たちは貴女と戦う意思は…！」
「問答無用！」
降下する加速度と共に威力は増し、女神による強烈な一撃が放たれる。
盾による防御に、マーリンによる不意打ち。
閃光散る戦闘の末、天へと飛び立つイシュタルを目にすれば攻撃手段を失う藤丸であるわけだが、"するいぞ、降りてきて正々堂々と勝負しろぉー！"と叫ぶマーリンの横を一筋の宝具が駆けるのだった。
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湊(プロフ) - ねづさん» お返事が遅れてしまい申し訳ありません！コメントいただきありがとうございます。まだまだ序盤なので完結できるよう頑張らせていただきますね(｀・ω・´) (2020年7月30日 20時) (
レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
ねづ - 続編おめでとうございます！これからも応援してます！！頑張ってください！！！ (2020年5月11日 9時) (レス) id: 2a8953498e (このIDを非表示/違反報告)
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