□55話 視点:橘 樹 ページ6
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あれほど濃厚な1日を過ごした翌日、今日は所長も帰ってくるし平穏無事かと思っていた朝までの俺に帰りたい。
午前のうちに所長が帰ってくればお土産を皆に配り、それと共に土産話を聞かせてくれる…というわけにもいかず。
帰ってきて間髪いれずにエミヤに怒られていた。
なんでも、時計塔の学部長にお願いされ、人手不足というのも相まったのか"彼女"を連れてきたらしく、それが今回のエミヤの説教コースの原因となったようだ。
何故か召喚に応じたサーヴァントまで怒られてるけど…っていうか、あのサーヴァントも笑い声やばそうだな。ギルといい勝負かも。
なんて所長からもらった"ハロッズ"の紅茶缶を見ながら、レシピに思考を巡らせていた。
「樹、その茶葉、どうするのだ?まさか普通に飲むのではないのだろう」
「嗚呼。せっかくだから、紅茶のタルトにしようと思ってさ。飲んだほうがいいんだろうけど、前に食べた紅茶のタルトが忘れられなくてさ、作ってみようと思って」
「ほう。組み合わせはどうする」
「桃にしようかと思ってるけど」
レシピを練っていれば、満足気に頷くギル。
若干、隣にいたアルトリアがピクっと反応した気がしたが、気のせいか?…うん、気のせいだな。
なんて、呑気な会話を繰り広げたそのとき、食堂に凛とした声が響く。
「確かに私は知識皆無のひよっこですけど応えてくれた彼を咎めるのは違がうのでは?彼は望んだ私の願いを叶えてくれたいわば希望であり私のサーヴァントだ、何か問題があるならマスターである私に言って欲しい」
そう放った
「日本人かな?」
「だとしたらどうなのだ。興味でももったか。特にあの小生意気なところ、お前によく似ている」
興味っていうか、仲良くなれそうだなって。
「にしてもすごい魔力だな、こんな人ばっかなのか?ここに来る魔術師って」
「なんだ。自信でもなくしたか」
「なんで?」
と、首を傾げれば不思議に思う。
「いっしょに戦う仲間なんだから自分を比べる必要なんてないだろ?」
「…ならば、良い。お前はその前向きさを失ったらただのクソガキだからな」
言いたい放題いいやがって、と思う反面、不器用ながらも褒めてくれていることに気づけば、
口元が緩む。本当素直じゃない王様だ。
「なにを笑っておるのだ」
「いんや、なんでもない」
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玲乃音(プロフ) - アルトリアとエミヤとのたい焼き話しが凄く気になります!! 続き頑張って下さい (2019年11月7日 8時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 細波幸近さん» コメントありがとうございます。是非、妄想していただいて楽しんでいただければと思います! (2019年10月22日 12時) (レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
細波幸近(プロフ) - なかなか面白い展開ですね!ここでうちの子に見せたら面白そうとか妄想しちゃいますね (2019年10月22日 12時) (レス) id: a768fd0174 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 玲乃音さん» コメントありがとうございます。ルイスくんだからこそ一緒に入るのが許されたのではないかと思います。更新頑張りますね。 (2019年10月19日 22時) (レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
玲乃音(プロフ) - ウワワ〜〜!!ルイスとギル様!! 二人のお風呂シーン!! 楽しそうだなぁ……ギル様と風呂仲間になりたいなぁ (2019年10月19日 20時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン/湊 | 作者ホームページ:なし。
作成日時:2019年10月9日 13時