□56話 視点:橘 樹 ページ7
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新しいマスターも迎え、再びの懇親会…いやどんだけだよここのカルデアという感じだが、懇親会という空気になったその時。
バタンと勢いよく開かれた扉に何人かが驚く。
待て、なんで"アイツ"がいるんだ?見間違い…じゃないよな?
栗色の髪に、あの翡翠の瞳。
ここまで走ってきたのか、乱れた呼吸を整えれば一直線に駆け寄ってくるコイツは間違いない。
ぼふっと音を立てて抱き着いてくるのを受け止めれば、久々にこの瞳と視線を通わせた気がする。
「椿?椿だよな?なんで、お前がここに…時計塔にいたんじゃ」
「樹っ、なんで勝手に消えるんだよ!!探したわ、馬鹿!!」
やっぱり椿だ。
というより、何故に俺は怒られたのか。
そんなツッコミと入れたいところだが所長に連れられなにやら会話をしているようで、まあ落ち着いたらくるだろうなんて考えていればにやにやと俺を見つめるギルと目があう。
「なんだよ」
「なに面白くなりそうだと思ってな?」
なに言ってるんだ、こいつは。と思う反面、もう1つの視線を感じる…これはつっこむべきか。
スルーすべきか。
「樹くん、彼女は一体」
と、やはり声をかけられればルイスの隣に立つアルトリアはどこか複雑な顔をしていた。
「ああ、あいつが来たら紹介する…って、来たみたいだな」
「所長さんに挨拶してきた!」
と、走ってくれば椿の召喚した英霊と目が合う。
視たところ、おそらくセイバーの英霊だろう。
彼女もまた心なしか複雑な顔をしているようだが、とりあえずだ。
「ルイス、紹介するよ。俺の幼馴染の千景 椿」
「初めまして、ルイス・スタインフェルドと言います」
にこりと微笑んでみせるルイスを見据えれば俺の背に隠れ、じーっと見つめる椿。
小さい頃から変わらない、この謎の見極めの儀式が終わらないとコイツは心を開かないのだ。
誰にでもフレンドリーに見せかけて、意外と人見知りというか。
「…!英国紳士さん、ですか?」
そして見極め時間が終わったのか、この間をおいて紡いだ言葉がこれだ。
時計塔に行ってから完全に"紳士"にはまって帰ってきたこいつにはおそらくドストレート、ド真ん中なのだろう。
所長もルイスもお疲れ…いや、ルイスにはご褒美か?
「椿、その質問、答えにくくないか?安心しろ、ルイスは期待通り"英国紳士"だよ」
一応、紳士。
昨日の一面見なかったら絶対そう紹介しなかったけどな。
◇
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玲乃音(プロフ) - アルトリアとエミヤとのたい焼き話しが凄く気になります!! 続き頑張って下さい (2019年11月7日 8時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 細波幸近さん» コメントありがとうございます。是非、妄想していただいて楽しんでいただければと思います! (2019年10月22日 12時) (レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
細波幸近(プロフ) - なかなか面白い展開ですね!ここでうちの子に見せたら面白そうとか妄想しちゃいますね (2019年10月22日 12時) (レス) id: a768fd0174 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 玲乃音さん» コメントありがとうございます。ルイスくんだからこそ一緒に入るのが許されたのではないかと思います。更新頑張りますね。 (2019年10月19日 22時) (レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
玲乃音(プロフ) - ウワワ〜〜!!ルイスとギル様!! 二人のお風呂シーン!! 楽しそうだなぁ……ギル様と風呂仲間になりたいなぁ (2019年10月19日 20時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン/湊 | 作者ホームページ:なし。
作成日時:2019年10月9日 13時