前日譚�� ページ4
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人類最後のマスターがこの地に訪れるまでにやるべきことはやっておこうと立ち上がる円卓の騎士"ベディヴィエール"。
そんな彼に手をひかれ
この二騎の英霊は所謂、汎人類史の英霊であるわけだが。
故郷であるこの地を救うべく本来立ち上がるべき彼はどうもやる気を失っている様子。
というよりも、気が向かない。という表現が正しいだろうか。
それもそのはず、彼は紛れもなく
アーサー・ペンドラゴンの実子であると謳われてはいるものの、その実、育ての親は別。
夢魔の混血と湖の乙女により育てられた…その経緯を知る者ならば理解できるはず。
彼は、人間でありながらその立場は妖精側にあったのだ。
つまりは、汎人類史がどうなろうとどうだっていい…というのは過度な表現かもしれないが、というよりはこの地に生きる妖精たちを殺戮する行為。それに至る行為は看過できないというところか。
「今まで汎人類史のマスターは空想樹を切除し、異聞帯を壊してきたんだろ？それがブリテンに起こらないってベディは言い切れるのかよ」
それがこの地に召喚され、彼等が出会った夜なされた対話。
「それは…。しかし、私たちは汎人類史の人間。であれば、そちら側を守り立つのは当然のことでしょう。そもそも、私たちはそのためにここへ喚ばれたといっても過言ではないのだから」
「詭弁じゃね？
「それはそうですが…では、ロホルトはどうすべきだと思うのですか」
「ベディ、膨れてるのか？え、待って、レアすぎ。もう一回！もう一回、膨れて。かわいすぎか？どうしよ、ベディがかわいすぎて死にそう」
「………ふざけるのも大概にしなさい！ロホルト！！」
秋の森に響き渡る奇妙なやりとり。
シビアなやりとりがなされたかと思えば、途端和らぐ。
そんな彼等の会話に耳を傾け様子を垣間見る妖精王がひとり。
「ははっ。でもそうだな、どうすべきか。あー、また"これ"かよ。俺、
「………ロホルト」
「冗談だから、そう冗談。ちゃんと俺だって考えてるから。だから、怒らないで。まじで怖いから」
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